研究課題/領域番号 |
15K04490
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
尾高 広昭 岐阜大学, 教育学部, 教授 (20262743)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教材開発 / ICT活用 / 体験 / 勤労観・職業観 / 評価 / 教育効果 / 学習指導案 |
研究実績の概要 |
学校教育において児童生徒の勤労観・職業観を育成するために、ICT活用や体験による小・中学校、高等学校の発達段階を考慮した教材・教具の開発や単元の学習指導案の作成、地域や施設設備による実態分析を実施した。 研究対象は、ICT活用による「わかる・できる」授業を教育施策としているG市のA小学校、N小学校の実証導入の実態・課題や問題点を実施しつつ、中部地区の政令指定都市N市の小学校の教育の実態を調査・研究した。その結果、G市のICT活用の実証導入の小・中学校の児童生徒は、「ICT活用の学習は楽しい」「これからもICT活用の授業をして欲しい」との感想であった。一方、N市の小学校の児童はICT活用の授業には興味を持ちつつも、ICT活用機器導入の不十分さから「まだ経験していない」「機器が学校に十分整理されていない」等が質問紙調査によってわかった。 ICT活用の研究会を開催したG市のA小学校においては、本科研費によって購入した学習活動実態記録装置などを活用して、研究授業やICT活用の実態、児童の様子や授業の状況などを時系列的に記録できた。その結果、タブレットPCは授業をわかりやすく展開する一つの手段であり、児童への学習の支援やコミュニケーシスキルの育成をする機器であった。 さらに、ICT活用により基礎的汎用能力を育み、特に課題対応能力の5つを習得するために任意の単元の学習指導案を作成した。製作体験に関しては、小・中学生を対象に用具・工具の使用方法、ものづくりの楽しさ、完成の喜びを体験させた。 学術学会誌などに掲載されている科学技術教育に関する主要論文は、学校教育を中心に調査・分析中であり、次年度以降にわかりやすくベータベース化を実施する予定である。高等学校については、G県内の一部の高校の資格取得や就職状況、教育課程などの各種データを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文部科学省や国内外の研究・調査した各種資料を収集するとともに、学校教育におけるICT活用や体験、勤労観・職業観の課題や問題点の基礎的データを整理・分析することができた。 学校教育の地域や施設・設備による教材・教具、学習指導の相違点を実際のG市A小学校の研究発表会で記録・分析し、児童生徒への質問紙調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に続いて、ICT活用や勤労観・職業観に関する各種研究資料を収集し、さらなる学校教育におけるICT活用や勤労観・職業観に関する課題や問題点の分析を実施し、教育の効果・影響を考慮した教育内容の構築やカリキュラムの仮説を提起する。 具体的に、研究対象のG市は、平成21年度の50型デジタルテレビ導入から、平成25年度には電子黒板とデジタル教科書、平成26年度からはタブレットPCの実証導入を行った。平成28年度はG市内の小・中学校、特別支援学校にタブレットPCを約4100台導入する計画である。 ICT活用、体験、職業観・勤労観に関して、他の市町村の学校教育との比較研究をしつつ、教育や学習への長所・短所を整理し、次世代の教育のための成果をだせるよう研究推進を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行のための資料収集や質問紙調査等が岐阜市や中部地域で可能であったため、旅費を節約できた。また、学習活動実態記録装置等の物品が特売によって安価に購入できたことが理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
さらなる研究遂行のために、1年目の研究資料をCDにデータ化して整理しつつ、学習活動実態記録装置の内蔵メモリにある画像データを個々のDVDに整理するための記憶媒体等の消耗品を購入する計画である。
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