本プロジェクト研究は、「学びの共同体」を標榜する学校改革の体育版であり、質の高い体育の学びのデザイン開発を行うことを目的とすると同時に、応募者らの研究機関をハブ機能とした教師の学びの支援ネットワークを推進することを目的とした。目的遂行のために設定した研究課題は3つである。【課題1】では、3つの実践フィールド連携研究プロジェクトを立ち上げ、個人種目領域(器械運動系、陸上運動系、水泳系)を対象とした授業デザインの開発と実践と省察を行うことである。また【課題2】では、3つの実践フィールド連携研究プロジェクトを立ち上げ、集団種目領域(ボール運動系)、表現運動・体つくり運動領域を対象とした授業デザインの開発と実践と省察を行うことである。そして【課題3】では、課題1と2を踏まえながら、「学びの共同体における体育授業デザイン集」を作成し、全国の教員の体育教材研究を支援するためのホームページを立ち上げると同時に、研修教員を受け入れるための学びのネットワークを構築することである。 最終年次にあたる本年度は、「学びの共同体における体育授業デザイン集」として独自に開発した『学びのこよみ』(小学校体育:低・中・高学年版)を再構成・再編集した。これは4月始まりの月別卓上カレンダーで、新学習指導要領の領域構成と内容に基づいた単元デザインを12か月分、配列したものである。また、全国の教員の体育教材研究を支援するために立ち上げたホームページは10回以上の更新を行った。さらには『学びのこよみ』に基づいた研修会(体育実技含む)を年度末に開催したところ、7府県から92名の参加者があった。
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