研究実績の概要 |
給食の時間が食育の絶好な機会であることから、食育の充実を図る上で教員一人ひとりに給食指導に必要な知識が求められている。しかし、現行の教員養成段階では学校給食に関する学びが保証されているわけではなく、給食を扱った授業を提供している大学は僅少である。そこで、本研究においては、教員養成段階から教育現場(初任者研修)に至る一連のプログラムを開発することにした。 本年度は、初年度(H27年度)に実施した教育実習(事前指導を含む)における給食指導に関する実態把握の調査結果を、「教員養成系大学における教育実習事前指導等での給食指導の扱い」として、奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要 No3pp203-207(2017)に発表した。 活動としては、教育実習の事前指導に利用できるビデオ教材を制作した。制作にあたり、教育実習経験者を対象に、実習中の配置校における指導教員による学校給食に関する指導の有無と、有の場合の具体的な内容等を調査した。その結果、約6割の学生が指導を受けていないことが分かった。指導されていた内容で多かったのは、教師の動き方や児童への補助の仕方であった。小学校教員を対象に、ビデオ教材で有効とおもわれる場面等について調査した結果では、「配膳」の回答が多かった。 これらの示唆を参考にビデオ教材「7分でわかる給食指導」を制作した。最初に制作したビデオを学生に視聴してもらい、その評価を参考に最終版を制作した。これらの一連の研究・実践については、IFHE Home Economics Conference 2017(St. Angela's College, Sligo, Ireland)において発表した。
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