給食の時間が食育の絶好な機会であることから、食育の充実を図る上で給食の時間中に学級担任が行う「給食指導」への理解と必要な知識が学級担任には必須 になるが、現行の教員養成段階においては学校給食に関する学びが保証されていない。実際、給食を扱った授業を提供している大学は僅少であることから、本研究においては、教員養成段階から教育現場(初任者研修)に至る一連のプログラムを開発することを主たる目的としている。 これまでの研究の成果として、「教員志望学生及び小学校教員の給食指導に対する意識」(奈良教育大学紀要-人文・社会科学- 第64巻第1号、p155-159、2015)や、「教育実習の事前指導等における給食指導の扱い」(奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要第3号、p203-207、2017)、「小学校初任者研修の手引き等における学校給食・給食指導の扱い」(奈良教育大学次世代教員養成センター研究 紀要第4号、p223-227、2018)等の一連の研究の成果を報告してきた。さらに、ビデオ教材「7分でわかる給食指導」を制作し、各教員養成系大学他に配布した。また、その内容と評価については、IFHE Home Economics Conference 2017において発表している。 昨年度は上記の同国際学会において、これまでの研究成果である大学生時の教育実習の事前指導と教員就任後に受ける初任者研修における学校給食に関する指導の扱いを報告する予定であったが、開催地が「渡航危険指定地域」であったため発表を断念し科研費の継続を申請した。しかし、今年度の開催日程との都合がつかなかったため、発表を諦め、栄養教諭及び家庭科教員を対象に、これまでの調査から明らかになった給食指導に対する現状を説明したうえで、教員養成段階から教育現場(初任者研修)に至る一連のプログラム案についての意見収集に努めた。
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