本研究は,「教師教育としての英語 (English as teacher education)」の実践プログラム(=英語をコミュニケーション媒体として,教育の現代的課題というテーマ内容について学ぶという内容言語統合型教育を開発することをねらいとした研究である。教師教育と英語教育を融合させる試みであり,オリジナルな授業実践を開発・実践・評価する研究である。延長申請が認められた4年次(平成30年度)の研究成果は主に次の3つである。(1)「教師教育としての英語」プログラムを構成する単元として,近年の重要教育課題の一つである「部活動(指導)の意義と問題」(特に部活動の削減を巡る議論)を取りあげ,関連のテーマ単元を開発した。(3年次までに開発した主要なテーマとしては,「学力向上」「いじめ問題」「大学入試改革」「教員を巡る今日的課題」などがある。)(2) 第44回全国英語教育学会・京都研究大会(8/26)において,「「教師教育としての英語 (English as Teacher Education) プログラム―教職課程における内容学習と言語学習の統合―」という研究発表を行った。主な発表内容は,「教師教育としての英語」で用いる様々な言語活動の解説,その有用性や困難さなどに対する評価,「教師教育としての英語」の課題と改善案などである。(3) 4年間に渡る研究成果をまとめ公開する手段の一つとして,『「教師教育としての英語 (English as Teacher Education) ガイドブック」を作成した。この冊子の中では,「教師教育としての英語」の考え方,言語活動,言語使用,評価,課題などについて総合的に解説を行なっている。現在,この冊子を(英語)教師教育に携わっている関係者,内容中心教授法 (content-based instruction) や CLIL (content and language integrated learning) に興味を持たれる方に配布している。
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