昨年度の小学校と中学校の調査に加えて、公立高等学校を対象とした調査を実施し、①小学校、中学校、高等学校の生徒指導上の諸問題の発生状況と解決方策、②スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの担当者、学校外の専門機関の配置状況、③学校評価(自己評価、関係者評価、第三者評価)の実施状況、様式、評価項目・指標等を明らかにした。スクールサポート体制は、学校種、地域によって差があり、教育委員会の学校に対する支援や条件整備等を前提とした項目・指標等を考えていく必要があること、生徒指導上の諸問題の発生頻度は異なっており、学校が教育目標を達成するための教育活動と関連させ、学校関係者と情報や課題を共通認識した上で、項目・指標等を設定する必要があること、生徒指導上の諸問題で学校内の教師だけで解決できるのは、小学校は「いじめ」「暴力行為(生徒間)」「授業妨害」、中学校は「いじめ」「暴力行為(生徒間)」「携帯等」、高等学校は「校則違反」「携帯等」「いじめ」、学校外の機関や専門家の援助を必要としているのは、小学校、中学校、高等学校ともに「不登校」であり、学校運営の改善の取組としてだけではなく、教育委員会の教育振興基本計画等と関連させて、項目・指標等を設定していく必要があることを指摘した。 全体的に回答数が少なかったため、教育委員会への訪問調査等を取りやめ、小学校858校と中学校1580校の調査を実施し、①学校評価の実施状況、②学校自己評価の様式、目標・項目の作成者、生徒指導・教育相談の評価項目・指標、③学校関係者評価の様式、目標・項目の作成者、生徒指導・教育相談の評価項目・指標の全国的な傾向を最大公約数的なモデルとして示した。
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