研究課題/領域番号 |
15K04509
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
板山 勝樹 名桜大学, 国際学部, 教授 (80643535)
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研究分担者 |
林嵜 和彦 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10410531)
松下 一世 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80457457)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高等教育機関における人権教育開始の経緯 / 高等教育機関における人権教育の成果と課題 / 高等教育機関における人権教育の実施状況 / 高等教育機関における人権教育先進校の実践内容 |
研究実績の概要 |
1.高等教育機関における人権教育に関する先行研究を整理し、大学等における日本の人権教育が「同和」教育実践・運動や部落解放運動、学生による開講要求に牽引されて産み出されてきた経緯、その発展の中で指摘された成果と課題等を明らかにしつつある。
2.教職課程を有する大学(143校)・短期大学(126校)を対象として、人権教育の実施の普及度や教育内容等に関する調査(学部の定員、取得できる免許科目の種類、「人権」「権利」というワードを含む科目設置、受講生数、必修の有無、講師の雇用形態、科目の種類、授業以外の学年での人権教育実践、人権教育推進組織の形態等の調査)を実施し、各大学・短期大学における「人権」「権利」というワードを含む科目のシラバスを収集した。現在、調査項目に対する回答結果データの分析がなされつつある。
3.こうした調査・研究の中で、過去から現在にわたり,人権教育を積極的に推進してきた(している)大学・短期大学が浮上してきた。その中から、大阪教育大学と大阪市立大学の関係者を対象として聞き取り調査を実施し、それぞれの大学における人権教育の過去・現在・未来についての情報を得た。また、海外訪問調査を行う基礎となる情報を得た。今後、聞き取ったデータを整理し、二つの大学での人権教育の詳細について明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
諸事情により、8~9月実施予定であった人権教育の実施の普及度や教育内容等に関する調査を11~12月に実施することになったため,その後の分析・考察等についても当初予定よりも約3ヶ月程度遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
1.現在、進行している先行研究の整理をさらに進める。
2.昨年度、実施した先進校聞き取り調査は2校とも、「同和」教育実践・運動等をルーツとする大学であった。本年度は,さらに「同和」教育運動・実践等をルーツとする大学・短期大学を対象とする聞き取り調査を実施しつつ,一方で,それとは別のルーツを持つであろうと考えられる国内先進校での聞き取り調査を実施する。
3.人権教育を積極的に推進している国外の高等教育機関に対する視察を実施する準備を進め、視察を実行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.調査計画がやや遅れたため、1回の国内聞き取り調査を行うのにとどまり、旅費や謝金として計上していたものが次年度使用分となった。
2.当初予定していた、 大学生を対象とした人権意識調査として用いる質問紙・インタビュー調査に関する作業が進んでいないため、そのために計上していたものが次年度使用分となった。
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次年度使用額の使用計画 |
1.昨年度実施できなかった分の国内聞き取り調査を、本年度行う予定にしている。
2.本年度は、国外での調査も実施する予定にしている。
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