研究課題
本研究の目的は、地域コーディネーターの役割・機能に着目し、教職員のニーズと地域住民等のシーズとをつなぎながら「総合的な学習の時間」を再活性化させるストラテジーを構築し、モデルを開発することである。平成29年度は、平成28年度までの研究を継続するとともに、最終年度として「総合的な学習の時間」において教職員が地域住民と連携・協働する要件の解明に努めた。具体的には、地域コーディネーターと連携・協働した中学校「総合的な学習の時間」の授業を参与観察し、単元の実践前後における生徒の意識の変化を統計学的に分析した。職場体験活動を中心とする単元において、教員と地域コーディネーターとが計画段階から緊密に情報を共有し合ったことで、生徒が希望する職種の事業所を多く確保することがでた。その結果、学習に対する生徒の意欲が高まり、働くことの意義に関する実感的な理解の高まりを確認することができた。また、平成28年度までの研究成果を複数の学会において報告し、参会者からの質疑等を経て学術上の精度を高めた。そして、口頭での報告を学術論文にまとめて学会誌に投稿し、査読付での掲載を実現した。さらに、上記の研究を経て仮説的に構築した「教職員が地域住民と連携・協働する要件」について、教育実践上の妥当性・有効性を確認するため、学校や社会教育機関の教職員、地域コーディネーター、保護者、地域住民等を参加者としたフォーラムを開催した。具体的には、3年度間の研究成果を基調講演した上で、地域を学習課題とした小・中・高等学校の「総合的な学習の時間」の実践事例を3つ紹介した。その後、参加者が5つの小テーマに別れて協議した結果、仮説の妥当性・有効性が確認・共有されるとともに、「総合的な学習の時間」を再活性化させるポイントが14抽出された。フォーラムの概要はカラー印刷の冊子にまとめ、質問紙調査に協力を得た学校を中心に配布した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)
新潟青陵学会誌
巻: VOL. 11, NO. 1 ページ: 24―34
TEADA
巻: NO. 21 ページ: 19ー21
巻: VOL. 10, NO. 1 ページ: 9―19