研究課題/領域番号 |
15K04520
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
木林 勉 金城大学, 保健医療学部, 教授 (30512397)
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研究分担者 |
越納 美和 金城大学, 看護学部, 助手 (80512483)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 介護予防支援者養成プログラム / 地域での役割 / 高齢者と大学生の協働学修 / 人的地域資源 / アクティブラーニング |
研究実績の概要 |
地域の介護予防支援活動を活性化させるニーズとその指導者を育成するという大学の教育的ニーズを結びつける。高齢者の力(成熟した指導力、豊富な知識や経験・技術、特技、文化的存在感など)を活用し、理学・作業療法学科生が介護予防支援プログラムを企画・作成する。2016年に実施した高齢者171人を対象としたアンケート調査結果分析から、生活満足度と主観的健康感の向上には、有償活動・家庭外無償活動が有意に寄与するという知見が得られた。今年度は、アンケートから発掘された地域の人的資源である高齢者18人を選出し、学生20人と「介護予防支援活動~地域での役割~」をテーマに基礎研修、実践研修、地域研修の試験試行を実施した。基礎研修では教員が高齢者の身体特性や介護予防に必要な理念・知識を教授し、実践研修ではマナーやモラルの学修やコミュニケーション能力の向上をねらいとしたアクティブラーニング手法を用いて、通いの場の把握やそのあり方、社会参加、地域資源とネットワーク、行動変容への工夫などについて検討した。学生と高齢者が協同で学修することで、相互の不足している分を補い、持っている部分を活かし合う関係性や教育効果についてインタビューとアンケート調査を実施した。地域研修は、アンケート結果やグループディスカッションの逐語から抽出されたキーワードを元にプログラムを組み立て、地域の公民館で実践した。学生20人を対象とした学修評価とプログラムの評価を目的とした到達達成度ルーブリックを作成中である。また、地域研修の試験試行についてもインタビューやアンケートによる質的分析を行う。なお、地域研修の振り返りにおいては、閉じこもり高齢者へのかかわりや地域資源とネットワークについてフォーマル、インフォーマルを分け隔てなく議論していくために、地元自治体(高齢介護課、地域包括支援センター)にも参加を要請する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度にプレテストを踏まえて実施したアンケート調査を今年度まとめた。高齢者171人を対象としたアンケート調査結果分析から、生活満足度と主観的健康感の向上には、有償活動・家庭外無償活動が有意に寄与するという知見が得られた。これをうけ、計画に合わせ今年度は、アンケートから発掘された協働学修者の選定を行い、地域の人的資源である高齢者18人を選出し、学生20人と「介護予防支援活動~地域での役割~」をテーマに基礎研修、実践研修、地域研修の試験試行を実施した。介護予防をけん引している高齢者やゼミ生を中心に意見をまとめ、基礎演習、実践研修、地域研修を試験施行を実施した。基礎研修では教員が高齢者の身体特性(運動・栄養・口腔ケアなど)や介護予防に必要な理念・考え方の整理を教授し、実践研修ではマナーやモラルの学修やコミュニケーション能力の向上をねらいとしたアクティブラーニング手法を用いて、通いの場の把握やそのあり方、社会参加、地域資源とネットワーク、行動変容への工夫などについて検討した。具体的には本学の介護予防事業「悠遊健康サークル」に参加し支援方法や関わり方を学修した。学生と高齢者が協同で学修することで、相互の不足している分を補い、持っている部分を活かし合う関係性や教育効果についてインタビューとアンケート調査を実施した。地域研修は、アンケート結果やグループディスカッションの逐語から抽出されたキーワードを元にプログラムを組み立て、地域の公民館で実践した。
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今後の研究の推進方策 |
学生20人を対象とした学修評価とプログラムの評価を目的とした到達達成度ルーブリックを作成中である。また、各研修の試験試行についてもインタビューやアンケートによる質的分析を行う。基礎研修、実践研修、地域研修においてそれぞれ設定されたルーブリックの点数を集計し、信頼性と構成概念の妥当性について検証する。なお、地域研修の振り返りにおいては、閉じこもり高齢者へのかかわりや地域資源とネットワークについてフォーマル、インフォーマルを分け隔てなく議論していくために、地元自治体(高齢介護課、地域包括支援センター)にも参加を要請する予定である。完成したプログラムは関連する学会誌等において成果発表をする。また、研究成果広報用パンフレットを作成し、関連する行政機関をはじめ、施設、事業所などに郵送し案内・発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研修プログラム開発参加者謝礼、研究協力者データ入力等の人件費については現在も作業中である。資料収集は次年度に執行予定である。地域での展開に伴い地域研修施設使用料が発生することから、次年度に執行予定となる。
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次年度使用額の使用計画 |
パンフレット作成作業とともに、研修プログラム開発参加者謝礼、研究協力者データ入力等の人件費の予算を執行する。
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