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2015 年度 実施状況報告書

知識偏重の従来型臨床教育と参加型臨床教育(クリニカル・クラークシップ)の比較

研究課題

研究課題/領域番号 15K04529
研究機関熊本保健科学大学

研究代表者

安田 大典  熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (40461115)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードクリニカル・クラークシップ / 臨床実習 / 情意領域 / 自己評価 / リハビリテーション / 作業療法
研究実績の概要

本研究は、実習形態の違いが学生の情意領域に与えた影響をみた。
実習形態は診療参加型実習をCCSとし、症例の全体像を統合するためにレポートを用いた指導を行う知識統合型実習(以下、知識型)、CCSと知識型の混合を混合型実習(以下、混合型)とした。対象者はOT専攻4年生41名、実習形態の内訳はCCS12名、知識型8名、混合型21名。評価項目は社会的・医療人としての言動などの70項目を用いた(以下、自己評価)。自己評価は4段階で選択させた。
自己評価70項目の結果は、実習前に「問題あり」の項目は、CCS14項目、知識型9項目、混合型7項目であった。その内、実習後「良い」と向上した項目はCCS14項目、知識型5項目、混合型3項目であった。さらにこれらの項目の中で有意に向上した項目は、CCS5項目、知識型1項目、混合型0項目であった。一方、実習前が「良い」で実習後が「問題あり」と低下した項目は、CCS0項目、知識型2項目、混合型3項目で、その内、有意に低下した項目は混合型の2項目であった。
70項目の自己評価を実習前後で比較した結果、CCSはすべての項目が実習後「良い」に向上した。有意に向上した項目は「自分の言動について、相手がどのように感じたかを振り返る習慣をもつ」「疾患についての文献を学習して、知識の向上に努め、病因や病態について究明する」「指導者や他のスタッフとともに意見交換をして一緒に考え、学ぼうとする姿勢をもつ」などであった。知識型で有意に向上した項目は「安楽な姿勢をとるように勧め。」であった。一方、混合型の自己評価が有意に低下した2項目は、「自らの知識や技術について、謙虚に検証し更新する姿勢をもつ」「指導者や他のスタッフとともに意見交換をして一緒に考え、学ぼうとする姿勢をもつ」であった。本研究の結果、CCSは他実習形態と比べ他職種連携や探究心などについて自己評価の向上を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

27年度までの研究に関してはおおむね順調に進展していたが、平成28年4月14日にマグニチュード(M)6.5の地震(震度7)、16日にM7.3(震度7)の熊本地震が発生した。
本研究の対象学生は平成28年5月9日より実習開始予定であったが、実家の全壊、一部崩壊による避難所生活、または、車中泊の生活が続く中、学生の実習に対する心理的不安は大きかった。
予定通り実習は実施することとなったが、対象学生は実習の準備が出来ず実習に対する不安が増加していた。この状況を鑑み倫理的配慮として、学生の心理的負荷を軽減するため、実習前に行うべき調査を中止した。

今後の研究の推進方策

28年度の実習が終了するのは平成28年7月1日である。その際に実習後の調査項目を実施する。データ解析は27年度の実習前と実習後の調査結果と、28年度の実習後の調査結果を比較する。また、次年度の学年にも同様の研究計画を実施しデータを蓄積する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は学会参加、研究打ち合わせを行わなかったため旅費を使用しなかった。また、論文投稿に関わる英文校正費や掲載費等を使用しなかったこと。

次年度使用額の使用計画

次年度は学会発表・研究打ち合わせ等を行うための旅費として使用する。また、データ処理効率を高めるために統計ソフトの購入とPCの購入を検討する。論文投稿に必要な論文取り寄せ、印刷等の準備費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] クリニカル・クラークシップが臨床実習おける情意領域の自己評価に与える影響 -3つの異なる臨床実習形態の比較-2016

    • 著者名/発表者名
      安田大典
    • 学会等名
      日本作業療法学会
    • 発表場所
      北海道札幌市
    • 年月日
      2016-09-09 – 2016-09-11

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公開日: 2017-01-06  

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