研究課題/領域番号 |
15K04533
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
増田 貴人 弘前大学, 教育学部, 准教授 (20369755)
|
研究分担者 |
武内 裕明 弘前大学, 教育学部, 准教授 (50583019)
大山 祐太 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (60711976)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 発達性協調運動障害 / 支援原則 |
研究実績の概要 |
発達障害児支援のなかでも、発達性協調運動障害(DCD)が疑われる子どもの場合、その支援への議論や検討が十分ではなく、仮に運動協応性の指導が展開されたとしても、保育者・教師による実態把握、及び評価や観点の設定が困難であることが指摘され、現実的には支援が難しい状況に陥っている。そこで本研究は、特別支援教育諸学校における授業実践の分析をとおして、保育所や学校で使用しやすいDCD支援の観点を検討することで、その支援の一助につなげたいと考えた。 平成27年度の研究は、動作の不器用さ(clumsiness, physical awkwardness, dyspraxia/developmental apraxia)や運動協応性(motor coordination)などのキータームを中心として、発達性協調運動障害(DCD:developmental coordination disorder)に関する国内外の研究動向を整理するとともに、それをふまえ、次年度以降複数の学校・保育所等へ授業実践の記録とその分析を行うための依頼や各種調整等をすすめ、効率的な研究の実施ができるようその準備にあてることとなっていた。 現在は、概ね計画どおりに進捗しており、次年度以降実証的検討をすすめることになる。あわせて県教委がweb上で公開している小学校通常学級における学習指導案から、動作の不器用さを示す子どもへの指導原則を見出す試みにも着手しており、その結果を次年度の検証と照らし合わせながら、検討をすすめていきたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在は、概ね計画どおりに進捗しており、今後実証的検討をすすめるための準備・各種調整をすすめている。並行して、県教委がweb上で公開している小学校通常学級における学習指導案の分類・分析から、動作の不器用さを示す子どもへの指導原則を見出す試みにも着手しており、前述の実証的検討の成果と照らし合わせながら、さらなる検討をすすめていきたいと考えている。次年度より、これらの調査の実施を具体化していく。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度以降は、実際に学校現場で展開されている各種授業の記録とその分析をすすめる。そのなかで、DCDを主症状として行う支援アプローチとして、運動協応性(motor coordination)を中核にしたコーディネーション運動支援(東根、2006他)を特別支援教育のなかでどのように取り入れるかが課題になる。単に実践を試みるに留まらず、DCDを示す幼児・児童の運動パフォーマンスの過程を、実際に保育者・教師がどう評価観点に取り入れられるかの実用的課題に取り組む。それはDCDが疑われる子どもに対する学校支援の有用な手がかりになると考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国際学会参加が困難になり、それらの修正をはかって国内の別な学会参加としたことで差額が生じてしまった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は実証的検討が主となると計画しており、記録媒体やデータ整理等のための消耗品が多くなると予想される。残額はそのような研究の円滑な進行につながる消耗品として使用したいと考えている。
|