研究課題
本研究の目的は,青年期の発達障害者の就労に焦点をあて,デンマークの事例を調査し,就業支援のありかたを探究することである。29年度の研究実施計画は1.研究会,2.デンマークの訪問調査,3.日本の発達障害者就労支援モデルの立案,4.発達障害者の就労についてのシンポジウム開催,5学会発表,著書,論文等の発表,の5つであった。1.は月1回開き,訪問調査の検討を行った。2.については,若者施策,青年期特別支援教育を行う学校,障害者の職業教育・就労支援・雇用・生産を行う企業などについての調査を行った。。3.については,高等部を卒業した障害者が就業前にさらに学ぶ場(福祉型専攻)をつくる会と,就労支援についての意見交換を行い,就労支援モデルの原型を構想した。4.については,2017年11月24日に「みんなが活躍できる社会をどう構想するか―デンマークに学ぶ―」と題するシンポジウムを福島大学で開催し,デンマークの特別支援教育・若者支援の専門家,福祉型専攻をつくる会代表,キャリア教育の専門家をシンポジストとして議論を行った。5.については,2017年8月に谷雅泰・青木真理編著『転換期と向き合うデンマークの教育』を出版し,2018年1月28日に日本実践女子大学で日本教育政策学会会員企画研究会「デンマークの教育改革」を企画して発表・意見交換を行った。なお,発達障害者就労支援モデルに関する論文を執筆準備中である。補助事業期間全体の成果は,定点観測を通じてデンマークの教育と就労支援を研究し,それを日本で生かす可能性を探究したことで,それは上述の著書および就労支援についてのシンポジウムに結実した。その成果を今後は,発達障害者就労支援を含む,長期にわたる人材育成の仕組み(妊娠期から青年期就労まで)づくりにつなげる予定であり,現在,試行的介入研究を行う自治体との協議など準備活動を行っている。
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