わが国の重症児施設(島田療育園、びわこ学園、秋津療育園)の療育体制について検討した。島田療育園は病院的な療育体制が望ましいとし、医務部の管轄下に児童指導員が位置づけられ、看護業務が中心となり、教育的な働きかけは乏しかった。びわこ学園では、医学的管理のもとで、発達を保障する取り組みがあった。びわこ学園では、重症児の発達に事実を明らかにし、より豊かな生活を創り出すため、職員の増員、療育空間の充実といった療育体制を整備した。それは職員不足に陥っていた施設職員の労働条件の改善をめざす取り組みでもあった。秋津療育園の療育体制は島田療育園と同様で、生活介護中心の療育であり、教育的な取り組みは乏しかった。
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