研究課題/領域番号 |
15K04550
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00590358)
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研究分担者 |
大庭 重治 上越教育大学, その他部局等, 理事兼副学長 (10194276)
野口 和人 東北大学, 教育学研究科, 教授 (40237821)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自尊感情 / 自己評価 / 重要度評価 / 支援方法 / 特別支援教育 / 健康障害児 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,健康障害児を対象として,1) 自尊感情の発達特性を事例的に明らかにすること,2) 自尊感情の発達特性に応じた支援プログラムを作成して,対象者に適用し,その効果を事例的に検証すること,3) 1)と2)の結果に基づき自尊感情の発達に影響を及ぼす要因について検討することであった。 研究計画に即して,平成27年度から平成29年度までの期間に健康障害児同士による課題学習の場として「交流教室」を開催した。開催頻度は概ね1回/月,約150分間/回であり,3年間に32回の活動を実施した。研究期間中に途中参入者を含め全9名の健康障害児が参加登録を行い,毎回1名以上が参加した。平成27年度の交流教室を通して,健康障害児とその保護者のニーズ及び自尊感情を含む全般的な状態把握を行った。その結果,参加者の多くに疾患の主徴に併せて情報処理機能の偏りなど,学習を困難にする認知特性があることが判明し,自尊感情の形成要因として,教科学習に対する自己評価に注目する必要性が示唆された。 平成28年度と平成29年度は参加者の健康状態と認知特性に応じた教科学習指導を個別指導形態にて提供する「学習教室」を開催した。開催頻度は概ね1回/週,約90分間/回であり,2年間に66回の活動を実施した。研究期間中に途中参入者を含めて全5名の健康障害児が参加登録を行い,毎回1名以上が参加した。本人及びその保護者から要請のあった参加者に対して支援プログラムを作成し,教科学習指導場面における自尊感情の発達と変動要因を検討した。その結果,参加者にとって重要な領域における継続的かつ自律的な学習課題の遂行とその内省を促す支援が自尊感情の維持・改善に有効であることを示唆する結果が得られた。 本研究の成果の一部は既に学会誌,学会発表,図書により公表しており,研究協力者として参加した大学院生の修士論文としても報告した。
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備考 |
研究協力者の修士論文 1. 脳性麻痺のある生徒を対象とした認知特性に基づく数学科における自己調整学習の支援に関する事例的研究 2. 文章読解に困難を示す1児童における要因分析と指導に関する研究
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