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2016 年度 実施状況報告書

発達障害児者の日々の生活・睡眠リズムをサポートするICTシステムの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04553
研究機関福井工業高等専門学校

研究代表者

小越 咲子  福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (70581180)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード発達障害 / 睡眠 / 日中行動 / BMI / 個別支援 / 午睡
研究実績の概要

発達障害をかかえ学習面や生活面において通常学級においても特別なニーズを有する子どもへの特性に応じた支援が課題となっている。また発達障害では睡眠の問題が高率に認められ、情緒面や行動上の問題が睡眠の問題が誘因となっていることが多いことが報告されている。そのため発達障害児の睡眠の特徴を日常生活の中から簡易に把握でき、規則正しい睡眠習慣と質のよい睡眠をサポートするシステムの開発が必要と考えられる。
本研究では28年度に日中行動と睡眠の関係を調べるためのアンケート調査、ヒアリングを行い、日中行動と睡眠に関する睡眠日記帳システムを開発する方針を定めた。また、実際に睡眠の困り感のある生徒に対し居眠り等の記録と同時にその日の行動データの蓄積を行うことで睡眠に問題があるとどのような困り感があるのかを調査しシステムに必要な機能を選定した。
日中の行動を定量的に蓄積する内容としては、精神的疲労と身体的疲労に関連する質問項目を選定できた。また、27年度に開発した午睡の入眠指標に、午睡の睡眠脳波が睡眠ステージⅠに入るまでの時間を加え、入眠のしやすさの指標の改良を行った。さらにICFコードを用いて日々の行動特徴から睡眠に関する困り感のある方に睡眠日記帳システムの利用を促す仕組みの導出を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では28年度において日中行動と睡眠の関係を調べるためのアンケート調査、ヒアリングを行い、日中行動と睡眠に関する睡眠日記帳システムを開発する方針を定めた。また、実際に睡眠の困り感のある生徒に対し居眠り等の記録と同時にその日の行動データの蓄積を行うことで睡眠に問題があるとどのような困り感があるのかを調査しシステムに必要な機能を選定した。日中の行動を定量的に蓄積する内容としては、精神的疲労と身体的疲労に関連する質問項目を選定できた。具体的には
(1)27年度に開発した入眠指標に、午睡の睡眠脳波が睡眠ステージⅠに入るまでの時間を加え入眠のしやすさの指標の改良、
(2)情動と日々の行動、睡眠の状態をアセスメントする睡眠日記帳システムの提案と設計、
(3)ICFコードを用いて日々の行動から睡眠日記帳システムの利用を促す仕組みの開発を行うことができた。
また、昨年度開発した夜の睡眠脳波を取得するBMI枕は、発達障害児に用いるには、感覚過敏などがある児童生徒が多いため、電極の貼り付け方法等インタレースに改良が必要であることが分かった。そのためおおむね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

今後の方針として睡眠日記帳システムの開発を行いながら、よりよい眠りを導出するための寝具の開発を行い、その効果の評価を行う。今年度は生体情報として脳波に加え、体温や心拍等複数のチャネルからの生体情報の測定と解析を行う。(1)発達障害児の日々の行動の特徴と検討:平成28年度と同様な研究活動を行い、日中行動システムのデータから・睡眠環境が変化するとどのような変化があるか。・日々の家庭での生活リズム・睡眠リズムと学校での行動との関連性の解析。・時系列での解析、事例検討会にて評価を行う。(2)睡眠の状態を測定できる寝具の改良を行い発達障害児の睡眠、脳機能の特徴を検討する。(3)よりよい睡眠を支援するための寝具の開発およびバイオフィードバック機能の評価:具体的にはよりよい睡眠の導入の機能と、よりよく目覚める機能の導入および効果の評価を行う。(1)(2)の分析効果を保護者・専門家・支援者と事例検討会で検討し、発達障害児の生活リズム、認知・脳機能の特徴に基づく支援として、BMI枕(またはバイオフィードバックを用いた寝具)のフィードバックに関する評価と効果を調べる。

次年度使用額が生じた理由

今年度は被験者の負担の少ない測定環境の構築のために予備実験を多く行った。児童生徒を研究協力者とした測定時間の長い実験を29年度に行うこととしたため。

次年度使用額の使用計画

29年度に被験者に測定時間の長い実験を行って頂くため被験者謝金として用いる予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] 発達障害児者の個人特性に応じた,継続的協働型教育支援ICTシステムの紹介(パネルディスカッション)2017

    • 著者名/発表者名
      小越咲子,三浦靖一郎,大藪多可志,石上晋三
    • 学会等名
      JCワークショップ
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2017-02-16 – 2017-02-16
  • [学会発表] The development of behavioral understanding support system for children with developmental disorders2016

    • 著者名/発表者名
      Sakiko Ogoshi, Toru Saitou, Yuuiti Takaku, Yasuhiro Ogoshi, Masahiro Asahara, Yoshinori Mituhasi, Sinzou Isigami, Seiichiro Miura, Takashi Oyabu
    • 学会等名
      The 17th Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems Conference (APIEMS2016)
    • 発表場所
      Taipei
    • 年月日
      2016-12-07 – 2016-12-10
    • 国際学会
  • [学会発表] The development of the bio-feedback system to support the good sleep and daily life2016

    • 著者名/発表者名
      Naoya Nisizuka, Kazuhiro Nakagawa, Sakiko Ogoshi, Yasuhiro Ogoshi, Toru Saitou, Takahiro Komatsu, Akio Nakai, Yoshinori Mituhasi
    • 学会等名
      The 17th Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems Conference (APIEMS2016), CD-ROM G2 275
    • 発表場所
      Taipei
    • 年月日
      2016-12-07 – 2016-12-10
    • 国際学会
  • [学会発表] 発達障害児のためのToDoサポートシステムの開発2016

    • 著者名/発表者名
      小越咲子、小越康宏、三浦靖一郎、武澤友宏、三橋美典、平谷美智夫
    • 学会等名
      日本LD学会 第25回大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-11-18 – 2016-11-20
  • [学会発表] ADHD の子供のための見守りランドセル開発2016

    • 著者名/発表者名
      山岸由佳、小越咲子、斉藤 徹、高久有一、小松貴大、小越康宏
    • 学会等名
      平成28年度電気関係学会北陸支部連合大会 電子情報通信学会北陸支部
    • 発表場所
      福井
    • 年月日
      2016-09-14 – 2016-09-14
  • [学会発表] マルコフ連鎖を用いた自動作曲機より生成された音楽の評価2016

    • 著者名/発表者名
      坂腰瑠奈、榎波将司、小越咲子、小松貴大
    • 学会等名
      平成28年度電気関係学会北陸支部連合大会
    • 発表場所
      福井
    • 年月日
      2016-09-14 – 2016-09-14
  • [学会発表] より良い睡眠と日常の生活のためのサポートシステムの開発研究2016

    • 著者名/発表者名
      中川和優、西塚直矢、小越咲子、斉藤 徹、小越康宏
    • 学会等名
      平成28年度電気関係学会北陸支部連合大会
    • 発表場所
      福井
    • 年月日
      2016-09-13 – 2016-09-14
  • [学会発表] 日中の行動と睡眠状態の記録を行う電子日記帳システムの開発研究 ~快眠指標の導出を目指して~2016

    • 著者名/発表者名
      西塚直矢、中川和優、小越咲子、斉藤 徹、小松貴大、小越康宏
    • 学会等名
      平成28年度日本設備管理学会北信越支部研究発表大会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2016-09-10 – 2016-09-10
  • [学会発表] ICFを用いた発達障害児のための自己チェックサポートシステムの開発研究2016

    • 著者名/発表者名
      山岸由佳、小越咲子、斉藤 徹、高久有一、小松貴大、小越康宏
    • 学会等名
      平成28年度日本設備管理学会北信越支部研究発表大会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2016-09-10 – 2016-09-10
  • [学会発表] 人と機械の共生協働による多様な個人特性に応じたサポート~発達障害児者の個人特性に応じた教育支援システムの開発研究と特例子会社でのインターンシップの紹介~2016

    • 著者名/発表者名
      ]小越咲子,斉藤徹,高久有一,西仁司,金田直人,小松貴大, 三浦靖一郎
    • 学会等名
      平成28 年度 全国高専フォーラム
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2016-08-25 – 2016-08-25
  • [学会発表] Observations of Nap Quality using EEG2016

    • 著者名/発表者名
      Sakiko Ogoshi, Yasuhiro Ogoshi, Akio Nakai
    • 学会等名
      The 80th Annual Convention of the Japanese Psychological Association (ICP2016),
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-06-24 – 2016-06-29
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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