研究課題
今年度は以下の3点の研究を行った。(1)睡眠に困難のある発達障害児の日々の行動の特徴と睡眠の関係の分析、支援案の検討を行った。日中行動と睡眠の関係ではケース毎に原因や問題となる点が異なり、個別の問題点として日中行動の点では、授業中の居眠りや授業に集中できないこと、登下校中に駅などで居眠りをしていたため電車を乗り過ごしていたこと、夜遅くまでゲームをして入眠する状態に無いことなどが支援が必要な点として浮かび上がった。(2)(1)で抽出した課題各々に対して支援システムの提案とプロトタイプの開発を行った。発達障害児者の中には感覚過敏のため脳波の計測について頭部への機器の装着が困難な児童生徒も多いことから、データ測定の負担が少なくなるよう温度を用いたフィードバックをおこなう睡眠サポートシステムの開発を行った。睡眠に入りやすい状態のとき、手足の甲の皮膚温と鎖骨の下の皮膚温の差の変動を用いて睡眠に入りやすい常態なのか入りにくい状態なのかを判別し、寝具の温度を睡眠導入促進のためフィードバックを行う機能をもつ。また午睡が注意に与える影響を測定し、その有効性を検証し、心地よく短時間に寝付ける午睡フィードバックシステムのプロトタイプ開発を行う等ケース毎に支援機器のプロトタイプ設計を行った。(3)よりよい睡眠を支援するための寝具の開 発およびバイオフィードバック機能の評価として、よりよい睡眠の導入の機能と、よりよく目覚める機能の導入について評価検討したところ、有効では有るが、装着型の支援機器では感覚過敏があり装着が困難である児童生徒が多いことと、主体的に生活を変化させる必要が有り、継続的な使用が認知的にも可能な児童生徒が限られることが分かった。そのため今後の課題として部屋全体の温度や照明を変化させる等の外部環境要因を大きく変化させる環境構築が望まれることが分かった。
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メディカル・サイエンス・ダイジェスト
巻: 43巻 ページ: 9-14
地域ケアリング 12月臨時増刊号
巻: 19巻 ページ: 119-124
日本設備管理学会学会誌
巻: Vol.29 ページ: 13-18