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2016 年度 実施状況報告書

タブレット端末による記録はROCFの分析にいかなる新視点を与えるか?

研究課題

研究課題/領域番号 15K04561
研究機関愛媛大学

研究代表者

中野 広輔  愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60735330)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードROCF / デジタル記録 / 描画順序 / 実行機能
研究実績の概要

open noteというソフトとアノトデジタルペンを用いることにより、ノートパソコンの液晶画面にROCFを描画順序まで記録しながらデジタル保存することに成功した。また、実行機能、もしくは描画順序に関わる可能性がある認知特性の検査として、Stroop test、Trail Making Test、ハノイの塔、間違い探し、迷路課題などについても、検査用ノートパソコンにインストールもしくは紙媒体で検査の準備をした。将来的に小児や発達障害児に応用を目指すものの、まずは最も安定したパフォーマンスをするであろう若年成人で使用データを収集する必要があるため、特別支援教育の専門課程に在籍する大学生3名に検査施行を繰り返し検査者としての能力を育てた上で、健常大学生20名にROCFとその他の検査を実施した。なお被験者には図書カードを謝礼としてお渡しした。20名の大学生は全員、予定していた検査を無事終了することができた。そしてデータを検討しながら統計的な解析を開始した。よく観察すると、ROCFの描画途中にブルートゥースが切断されたかと考えられる無録画時間がわずかに発生していたが、細かい線分レベルであったため振り返って正確な描画順序の把握は可能であった。また、間違い探しに関しては、制限時間内に正解を見つけることを断念した被験者と、効果的な方法を知っておりすばやく正解を見つけることができた被験者もいたため、データの分析方法を検討する必要が生じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度にもともと用意していたmicrosoft surfaceへの描画がうまく施行できず、そこからデータ収集に遅れが生じた。その影響を平成28年度も受けたため、データの収集がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、やや遅れているものの、ROCFのデジタル記録に20名の大学生で成功したので、描画順序の傾向について最も標準的なデータを得ることを目的とする。そのために実行機能や認知特性についての補助的検査も同時に行ったため、相関等の分析方法を用いて解析していく予定である。またその際にデータのサンプル数が不足しそうな時は平成29年度も随時被験者を増やしていき、多変量解析によりデジタル記録したROCF描画順序の分析を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度にROCFのデジタル記録を調整することに時間がかかり、パソコンへのデータ収集にに遅れが生じた。そのため、平成28年度にも被験者のデータ収集に遅れがでた状態が続き、次年度への使用に回さざるを得なくなったため。

次年度使用額の使用計画

すでに集めたデータは描画順序の解析や統計処理を進めていく。同時に、多変量解析処理を行うにあたりデータ数は増やす必要があると考えられるため、引き続き被験者を増やし、サンプル数の積み上げを図っていく予定である。またデータの公表に必要な情報収集を教育・心理系の研究会・学会で行っていく。

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公開日: 2018-01-16  

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