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2016 年度 実施状況報告書

セルフ・アドボカシー・スキルの高次化とその教育的方策に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04566
研究機関鹿児島大学

研究代表者

片岡 美華  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (60452926)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード自己権利擁護 / 発達障害 / 自己理解 / 提唱力 / 合理的配慮 / 発達的支援 / 教育的プログラム
研究実績の概要

本研究は、発達段階によるセルフアドボカシースキル(SAS)の変容として、自己理解などの認知面やコミュニケーションといった発達的な力量の獲得と拡大が、SASを向上させるのではないかと仮定し、その向上の過程には、SASの活用経験が促進要因となるのではないかと考え、プログラムを通じて実証的研究を行うものである。平成28年度は、本研究の2年目にあたり、プログラムの継続的実施と改正版SASプログラム案の作成、そしてプログラム結果の分析を行う計画であった。
平成28年度内に行えた研究は、プログラムの継続的実施の中でも特に、発達段階を意識したSASプログラムの実施であった。またプログラム結果の分析として、対象者の追跡調査による、SAS活用経験がもたらす影響について検討した。前者においては、自己理解に焦点を当てたプログラム(A群)と、提唱力に焦点を当てたプログラム(B群)を行った。A群については、予想していた9・10歳の発達が鍵となっていることが改めて示唆されたが、変化の兆しが見えた時点で本年度のプログラムが終了したことから、継続的な研究を要する。B群については、キャリア教育と合わせて提唱力の向上を試みたが、データを収集したのみにとどまり、分析については、今後の課題となっている。また、後者の追跡調査については、聞き取り調査終了後、対象者から本研究からの辞退の申し出があり、データが取り扱えない状態になってしまった。
一方、先行研究や、これまでの研究成果を少しずつまとめ、論文ならびに、書籍として報告できるように執筆を行っている途上にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度6月より産前産後休暇並びに育児休暇に入ったこと、またそれ以前においても体調不良のため、研究が進められない状況にあったため。また、本研究において重要となる、過去にプログラムを受けた対象者からの聞き取り調査において、本人からの研究参加辞退の申し出を受け、データを使用することができなくなったことがあるため。
現在は遅れている状況にあるが、プログラムの継続実施ができたこと、その中で発達的変容の兆しが見えだしたことなど今後の研究、分析につながるデータの収集ができたことから、今後、修正のうえ遂行可能であると考えている。

今後の研究の推進方策

現時点においては、当初の研究計画より遅れを生じているが、A群、B群のプログラム実施と、これまでの研究成果の分析とまとめを継続的に行えていることから、復帰後に分析が可能なデータ収集は限られた範囲であったとしても行えている状況にある。とりわけ発達的変容においては、研究の中断に伴う時間の経過をプラスにとらえ、当初の計画よりも長期的に変容を追うことができると考える。また、この研究期間の延長(中断を挟む)が、プログラム修了者を新たに生み、追跡調査の対象者として聞き取り調査ができるのではないかと考えている。したがって、現時点においては、研究デザインについて大きな変更なく修正のみで進められることを期待している。なお、休暇中においても、対象者(保護者を含む)やプログラム実施チームと定期的に連絡をとり、復帰後に円滑に研究を再開できるように対応している。
文化的差異については、当初の計画より遅れ、また復帰後もデータ収集が計画通りにいかないことが予想されるが、可能な限り文献や聞き取りを行うなどして推進を図る。

次年度使用額が生じた理由

本年度、産前産後休暇並びに育児休暇取得により、ほとんど研究に従事する期間がなかったため。

次年度使用額の使用計画

育児休暇より復帰後に適切に使用する。具体的には、プログラム実施にかかる費用、研究成果報告のための学会発表にかかる費用等である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 新しい特別支援教育のかたち:インクルーシブ教育の実現に向けて(「14章 学習障害者に対する教育的支援」)2016

    • 著者名/発表者名
      片岡美華
    • 総ページ数
      290(142-152)
    • 出版者
      培風館

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公開日: 2018-01-16  

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