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2016 年度 実施状況報告書

特別支援学校に通うASD児に対する作業療法士のコンサルテーション・モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K04577
研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

倉澤 茂樹  関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (40517025)

研究分担者 大歳 太郎  関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336483)
福井 信佳  関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (50727708)
立山 清美  大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70290385)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード作業療法士 / 栄養教諭 / 担当教諭 / 協働 / 摂食 / 行動障害
研究実績の概要

【目的】栄養教諭へのコンサルテーションを行い,作業療法士(以下,OT)と栄養教諭が児童生徒の学校給食や食に関する行為について,個別支援計画を作成し,実施することで,児童生徒に対する有効性を検討することを目的とした.【方法】OTによる児童生徒の評価および介入には日本版感覚プロファイル(以下,SP-J)および応用行動分析(以下,ABA)に基づきコンサルテーションを行った.効果判定は,個別支援計画書完成の2~3ヶ月後とし,ゴール達成スケーリング(以下,GAS)を用いて評価した.GASは偏差値化され,50以上を期待される結果,50未満では期待に満たない結果であることが示される.【結果】対象となった児童生徒の平均年齢は10.3±2.1歳,男性7名(87.5%),女性1名(12.5%)であった.4名が何らかの発達障害を有し,4名が未診断であった.GASによって設定された目標の内訳は,食事の量を増やす4件(50.0%)で最も多く,つづいて,偏食の改善,食事時間の短縮,情緒の安定が3件(37.5%)であった.OTによるコンサルテーションでは,ABAに基づくものとして,「児童生徒の特性に応じた強化・弱化の説明」「適応行動を導くための手がかりを提示する方法であるプロンプトの活用」「行動を細分化し,強化(弱化)していくスモールステップの活用」が全ての児童生徒に反映されていた.SP-Jに基づいたコンサルテーションでは,感覚過敏への対応,聴覚的弁別性の悪さに対する対応が6名(75.0%)と最も多く,続いて姿勢制御のための環境調整が4名(50.0%)であった.その他として6名(75.0%)に疾病あるいは症状に対する説明が含まれていた.GASでは,1名が41.2ポイントと期待に満たない数値を示し,他の7名は期待以上の目標達成である数値を示した(全サンプルの平均53.4±11.2).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、特別支援学校・学級に依頼し、コンサルテーションモデルの開発を行う予定であった。しかし、公的機関より衛陽教諭に対する継続的な研修の依頼があり、早い段階でパイロットスタディが実現できた。平成28年度から現在まで、研修日程も5日間と増え、本格的な介入研究の下地が整ってきた。

今後の研究の推進方策

現在、学術誌への2回目の投稿をしている。また、同時並行的に、本格的な介入研究に向け、コンサルテーションモデルの見直しと介入効果を判定するためのツールの開発も行う。

次年度使用額が生じた理由

公益財団法人大阪府学校給食会より研究協力を得られたことにより、当初のフィールド調査および研究協力要請が不要となった。

次年度使用額の使用計画

早期にパイロットスタディが実施できた。現在、論文投稿をすすめている。同時に学会(近畿学校保健学会)にて成果報告も予定している。研究費は論文校正、掲載料、学会参加費等に使用する。さらに、パイロットスタディで良い研究成果が認められたため、本研究をさらに裏付け、発展させるための確証的な介入研究にも着手する。したがって、より大規模な介入研究に向けて、検査測定に使用する評価尺度や資料、介入に必要な資材や電子機器を購入する。

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公開日: 2018-01-16  

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