研究課題/領域番号 |
15K04584
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
金 樹英 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 病院第三診療部(併任研究所), 医長 (90401108)
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研究分担者 |
西牧 謙吾 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 病院長 (50371711)
東江 浩美 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 言語聴覚士 (40725090)
田島 世貴 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 医長 (30420722)
豊田 繭子 (鈴木繭子) 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 心理療法士 (40726767)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ASD / デイケア / ひきこもり / 不登校 / WISC / SST |
研究実績の概要 |
思春期・青年期年代のデイケアで発達障害専門プログラムを実施しているとアンケートに回答した機関の7割が有効と感じる要素として「プログラム内容」と「メンバー同士の交流」を選択した(複数選択可)。また、プログラム内容で有効と感じる要素は3割から半数近くの機関が「SST」「作業系プログラム」「心理教育(当事者)」「運動系レク」「文化系レク」「就労支援グループ」「生活援助プログラム」などを選択した(複数回答可)。利用者に多い状況として「求職活動中」「ひきこもり」「不登校」を6~7割の機関が選択した(複数回答可)。 当院で実施したショートケアプログラムは週1回3時間で、週ごとに「せいかつ」「からだ」「こころ」「レクリエーション」をテーマにした。月に1回の「こころ」の回で成人発達障害向けに開発されたデイケアプログラムをSSTとして取り入れたが、不登校となっている思春期年代には成人とは異なり、より複雑で難易度の高いソーシャルスキルが要求されることがわかった。平成27年~29年度にショートケアに利用登録したのは13人で、就労移行支援サービスや進学などで「卒業」したのは7人、2年以上利用継続しているのは3人だった。毎回の平均参加人数は4~5人だった。 児童精神科外来を通院中の93症例(男:59人,女:34人初診時年齢:5~25歳)を対象に診療録を調査した。いじめられた経験のある症例の割合(%)は27.7%であり、発達障害の有無による違いはみられなかった。ウェクスラー式認知機能検査であるWISC-Ⅳの指標得点を不登校の有無で比較検討したところ(N=31)、不登校あり群の方が全検査IQ(FSIQ)、言語理解(VCI)、知覚推理(PRI)の得点が有意に高く、ワーキングメモリー(WMI)、処理速度(PSI)では差がみられなかった。発達障害を伴う場合(N=22)では、同様のパターンがより顕著にみられた。
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