文部科学省が出した「障害のある児童生徒の教材の充実について」において、障害のある児童生徒の自立と社会参加のためにはICT機器を活用することの重要性が述べられている。そこで、本研究では、障害のある児童生徒のICT機器活用の中でも特にコンピュータの操作に課題のある肢体不自由児・者が「操作スイッチ及びスキャンソフト選択プログラム開発」「タブレットPC入力用評価プログラム開発」「視線入力ソフト評価プログラム開発」に焦点を当てて、学校現場と連携してICT機器活用における入力特性分析を行う。その実証検証を踏まえて、「入力機器の総合的な選択手法」を開発する。研究の過程では,タブレットPCでのデータログをとるためのソフトウェアを開発し、ICT機器利用についての評価が行えるようにする。また、作成したプログラムについてはWebで公開できる形にし、 広く利用できるようにする。 (本年度の研究実施状況)操作スイッチ及びスキャンソフト選択プログラム、タブレットPC入力評価プログラム、視線入力評価プログラムをPowerPoint形式で整理し研究協力者と検討を行った。本プログラムに関しては、主に肢体不自由児者に関わる教員がICT機器を導入する際の検討項目を明示させてどのようなことを考えればいいかを示すものとなり、検討段階では関係者からの必要性が高いとの評価を受けた。また、このプログラムと連動する形で、実際に入力装置を使っての検証を行えるようなWindows用のアプリケーションを連携協力機関である東京高等専門学校と共同で開発した。開発したアプリについては、日本教育情報学会やATACカンファレンス2017、CSUN2018等の学会で発表し、関係者からの一定の評価を受けた。また、開発した選択プログラム及びWindows用のアプリケーションについては、Webでの公開を行い、研究成果の普及につとめた。
|