研究課題
基盤研究(C)
脳室周囲白質軟化症がある脳性麻痺児(PVL-CP)の読み書きに関連する認知機能特性を評価し、その背景となる大脳皮質・白質構造との関連性を検討した。PVL-CPは健常児と比較して視知覚認知能力の弱さと読字速度が優位に遅いことが明らかになった。さらに、PVL-CPの大脳構造の特徴として、右頭頂葉皮質での皮質厚低下、広範な白質拡散異方性低下が示された。以上のことから、PVL-CPの読み書き困難は頭頂葉機能を中心とする大脳の構造的変化が関連しており、特性に応じた学習支援が必要と考えられた。
小児神経学、神経心理学、高次脳機能障害学
我が国は世界的に早産低出生体重児の出生割合が多い。また、近年では学習障害を含む発達障害による学校不適応が大きな社会問題となってきている。早産低出生体重児の脳障害として割合の高い脳室周囲白質軟化症と学習困難さの関係を明らかにし、神経心理学および認知神経学的技術を用いて解明することで、エビデンスに基づいた学習支援法のモデルを提案することが可能となる。