固液界面のナノ・メゾスケール領域の水の構造を評価するために、近赤外領域における温度可変全反射分光装置を構築し、界面100から900 nm領域の分光測定を可能にした。水の全反射近赤外スペクトルは、およそ300 nm以下の領域で水の密度の上昇を示唆する変化を示した。また、同領域のスペクトル成分分析から、バルク水と比較して、界面では4つの水素結合を有した水分子が相対的に多く存在し、それと同時に、単分子(水素結合をしていない水分子)も多く存在していることが明らかとなった。さらに温度摂動に対しては、バルク水と比較して、水素結合構造が破壊されにくいことも判明した。
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