本研究は、Ni/Al多層膜のような自己伝播発熱ナノ材料の医療分野への応用を見据えて、生体適合性があり発熱性能を制御できる材料を開発することを目指したものである。その有力な候補であるTi/Si多層膜は反応性が高すぎて取扱いが困難である。そこで、我々はSi層を幾分酸化させたTi/SiOx多層膜を提案し、x=0.56程度とすることで単位質量あたりの発熱量を低減することなく課題であった過剰な反応性を押さえることに成功した。また、Ti/SiOx多層膜の反応では、Tiシリサイドと共にSiO2が生成していることも明らかにした。
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