希土類-遷移金属アモルファス合金膜は、磁気記録材料の母物質として知られている系である。本研究では主にTbxCo100-x 膜について、全磁化曲線測定及び磁気コンプトン散乱測定から算出した、スピン選択、軌道選択、元素選択の磁化曲線の測定を行った。磁気補償組成を境界として、スピン磁気モーメントと軌道磁気モーメントあるいはTb磁気モーメントとCo磁気モーメント向きが逆転する様子が観察された。本研究で用いた系は希土類であるTbの4f軌道が支配的であり、スピン軌道相互作用が大きい系であるため、スピンと軌道の比、TbとCoの比がほぼ一定でVan Vleckの異方的交換相互作用の理論と一致した。
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