半導体集積回路の消費電力を抑えつつ更なる高性能化を実現するためには、高移動度材料の開発が必須である。低コストで高正孔移動度を実現できる材料系として、(110)面を表面に有するシリコン(Si)が注目され、高い実効正孔移動度が報告されてきた。更に移動度を向上させるためには格子歪みの導入が有効である。格子定数を変化させるためには何らかの形で結晶欠陥を導入する必要がある。本研究では、歪みSi/SiGe/Si(110)構造の結晶欠陥形成過程に関して研究を行い、室温で480 cm2/Vsという極めて高い実効正孔移動度を実現した。
|