研究課題/領域番号 |
15K04678
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
高見 知秀 工学院大学, 教育推進機構, 教授 (40272455)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ナノピペット / 真空コンダクタンス / アクチュエータ / コーティング |
研究実績の概要 |
本年度は、走査型マイクロインジェクション顕微鏡の要素技術開発のひとつとなっているガラスナノピペットの真空コンダクタンス計測によるピペットの非破壊評価法の開発のため、東北大学多元物質科学研究所の高桑教授の下で、様々な内径のガラスピペットについて真空コンダクタンスの計測を行った。この真空コンダクタンスの計測において、計測時にピペット内に塵が侵入してピペットが詰まるということがしばしば起こっていたが、ピペットの先端からガスを導入するように逆向きの流れで真空コンダクタンスを計測することでこの問題を解決した。更に、コンダクタンス計測には微小流量測定が必要となるが、そのような微小流量を既存の機器で計測することは困難であった。そこで我々は、計測時に下流の真空排気を止めて溜め込み式にすることで、微小流量の計測を可能にした。以上の改良により、真空コンダクタンスの直接計測が可能となり、ピペット内部の清浄度がこの計測によって判断できることがわかった。以上の結果を理論的に解析するために、広島大学クロマチン動態数理研究拠点の菅原博士の下で、拡散方程式を用いた理論解析を進めている。 また、ピペットのタップ・ツイスト動作を行うシステムについては、静岡大学工学部機械工学科の岩田教授との連携により、この動作が可能となるアクチュエータを購入して製作を進めている。 最後に、ピペット先端外壁のコーティングについては、東北大学多元物質科学研究所の高桑教授との連携で、低速電子顕微鏡による評価を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ピペット先端と内壁の状態を非破壊評価する手法の開発については、着実に進んでいて、成果をまとめる状況にある。 ピペットのタップ・ツイスト動作を行うシステムの製作については現在進行形であり、倒立型光学顕微鏡への装置のセッティングを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
装置製作を2016年度中に完成させて、HeLa細胞などの観察を行えるようにする計画である。 本年度から卒研生2名が加わり、これまで単独で行ってきた研究が加速するものと考えている。更に、学外だけでなく学内での研究連携によってより研究が進むものと期待している。
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