高い電子移動度を有するScN薄膜のキャリア制御について検討した。 MBE法を用いて、ScN薄膜、MgドープScN薄膜をMgO単結晶、サファイア単結晶上に作製し、その構造、電気特性について評価した。サファイア基板上に高い結晶性をもったScN薄膜を成長させることに成功したが、それらはすべて、ScNの大きな非化学量論的組成に起因するn型の縮退半導体であった。 さらに、プラズマ照射装置を作製し、MBE法で作製したScN薄膜に、窒素プラズマ処理を施した。その結果、薄膜のキャリア濃度の減少と移動度の増加が確認され、窒素プラズマ処理が、ScNのキャリア制御に有効であることを明らかにした。
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