物質の新たな特性を発現させる方法として,光照射で電子バンドのトポロジーに起因する性質を制御しようとする方法が盛んに議論されている.そこでは,時間反転対称性の破れが発端となって,エネルギー縮退がとけることが重要な要素であり,散逸のない電流が発現することが予言されている.それに対し本研究では,対象とする物質系の空間的対称性に依存して,時間反転対称性を破っただけではそのような挙動を示さない系があることを発見し,その条件を明らかにした.これらの系では,従来の方法論はそのまま適用できないことから,従来方法を一般化して,これらの系でも散逸の電流が記述できる方法を新たに構築した.
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