本研究の目的は、「多価イオン」、すなわち多くの電子を失った原子、の高密度な試料を作成し、短波長コヒーレント光源(X線自由電子レーザー)を用いて、様々な量子光学現象の実現である。又、その実験結果の理解のための数値シミュレーションも目的の一つとしている。主の成果は、i)自由電子レーザー用中性、イオンの試料生成のためのガスセル開発、ii)中性ヘリウムにおける自由電子レーザー光のラマン散乱およびFID蛍光の観測、iii)水素様ヘリウム(He+)における「超蛍光」の観測、iv)それぞれの現象の数値計算シミュレーション、とv)自由電子レーザーおよび放射光利用に向けた電子ビームイオントラップの開発。
|