• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

遮断周波数を持つ同軸管による高周波伝送とその応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04726
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

沢村 勝  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (30354905)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード導波管 / 遮断周波数
研究実績の概要

全く新しいタイプの高周波伝送線であるC形導波管を提案した。このC形導波管は同軸管の内軸と外軸が仕切板で連結された構造になっており、矩形導波管を丸めたような構造になっているため、矩形導波管と同様に遮断周波数が存在し、C形導波管の大きさは同じ遮断周波数の矩形導波管の約1/3程度と小さくなっている。さらにC形導波管は仕切板を通して内軸の冷却が容易である。そのため、大電力高周波を伝送するときに問題となる、同軸管における内軸冷却構造の複雑さや、導波管における大きさの問題などを解決することができる。
C形導波管の基本的な高周波伝搬特性を測定するためにC形導波管モデルを製作した。C形導波管の遮断周波数は内軸と外軸の大きさ、仕切板の幅などによって変えることができ、遮断周波数以下での減衰量はC形導波管の長さで変えることができる。そのため、製作したC形導波管モデルにおいては外軸径を一定にし、内軸径、仕切板の幅を変えることにより、遮断周波数を変えられるようにした。また長さの違うC形導波管モデル組み合わせることにより長さを65mmから最大560mmまで変えることができるような構造になっている。このC形導波管モデルの高周波伝送特性はネットワークアナライザを用いて測定を行った。
C形導波管の断面形状が極座標で単純に表せるような場合は、解析的に遮断周波数が得られるが、この解析値と測定結果から得られる遮断周波数の値とが一致することを確認した。さらに解析的には求められない断面形状に関しても電磁界シミュレーションコードを使った計算を行い、測定値および計算値が一致することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

C形導波管モデルを製作することにより、高周波伝送特性が理論値、計算値、測定値とも一致していることを確かめることができた。C形導波管の基本的な特性を確認できたことで、当初の研究計画の通りC形導波管の応用であるC形導波管型HOMカップラーの研究に進むことができる。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた結果を基にして、C形導波管型HOMカップラーによるHOM減衰の効果を調べるため、加速空洞モデルである1.3GHz-TESLA型楕円空洞に取り付ける。この空洞にはアンテナ型HOMカップラーが取り付けられることになっているので、アンテナ型HOMカップラーとC形導波管型HOMカップラーとの比較を行う。さらにERL用として開発された1.3GHz-ERL用楕円空洞に取り付ける。この空洞はビームラインHOMダンパーでHOMを吸収させるため、ビームパイプ径を大きくした空洞である。この空洞を用いてビームラインHOMダンパーとC形導波管型HOMカップラーの比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度製作したC形導波管モデルが当初予定していた金額よりも安く製作することができたため。

次年度使用額の使用計画

今年度に行った測定結果をもとに製作する予定のC形導波管型HOMカップラーの購入費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 超伝導加速器用C形導波管型HOMカップラーの高周波特性2015

    • 著者名/発表者名
      沢村 勝、梅森 健成、阪井 寛志、篠江 憲治、古屋 貴章、江並 和宏、江木 昌人
    • 雑誌名

      第12回日本加速器学会プロシーディングス

      巻: PASJ2015 ページ: 579-582

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] C形導波管の高周波特性の研究2016

    • 著者名/発表者名
      沢村 勝,梅森 健成、阪井 寛志、古屋 貴章、江並 和宏、江木 昌史
    • 学会等名
      日本原子力学会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県・仙台市)
    • 年月日
      2016-03-27

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi