研究課題/領域番号 |
15K04760
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
高見 利也 大分大学, 工学部, 教授 (10270472)
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研究分担者 |
小林 泰三 帝京大学, 福岡医療技術学部, 准教授 (20467880)
下川 倫子 福岡工業大学, 工学部, 助教 (80554419)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 時空間マルチグリッド計算 / マルチスケール計算API / 流体と音の相互作用 / 二成分流体 |
研究実績の概要 |
初年度の研究進捗状況を受けて、平成28年度の研究は当初の計画通り実施した。研究代表者は、初年度から開発している時空間マルチスケール計算を記述するためのアプリケーションプログラムインタフェース(API)をより使いやすい形にするための調整を実施し、開発中のアプリケーションプログラムへの適用を実施した。分担者においては、楽器における流体と音の相互作用の研究を進めるとともに、二成分流体系の時系列解析をより詳細に実施した。 これら具体的なプログラム開発や解析と同時に、マルチスケール計算を適用するべき対象の調査も並行して実施した。2016年5月に石垣島にて実施した研究会においては、生物の運動を対象としてマルチスケール的な視点からの理解を進めるために、ミドリムシの研究者やホタルの研究者など、意識的により広い背景を持つ研究者からの情報収集を実施し、さらに、研究者向けだけではなく、石垣市の一般市民向けに講演会を企画してマルチスケール動力学に関するこれまでの成果を少しでも知ってもらうとともに、生物という興味深い対象を通じて計算機を利用した魅力的な研究を紹介する場とした。一方、同年11月に実施した湯布院での研究会では、主にソフトマター系の研究者より情報収集を実施し、マルチスケール動力学に関する今後の研究の方向性、展開可能性などについて意見交換を実施した。 以上のように、本年度の研究では、プログラムの開発や現象の解析に加えて、特に重点的に、情報収集と一般向け広報という点について実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、及び、二人の分担者それぞれの担当となるプログラム開発や解析については、ほぼ計画通り実施されていること、そして、研究会などの場を通じて、連携研究者も含めて情報交換を実施し、研究計画全体についての進捗状況を意識しながら研究を進めていることによる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまで2年間で実施してきた研究成果を、検証という形で確定する作業に入ることとなる。この検証作業においては、できる限り大規模な計算を実施することによって、本研究課題で開発してきたAPIなどのソフトウェアの有効性を示すことを目標とする。さらに、応用分野の探索のために、研究会などの場において、より広く情報収集に努め、今後の研究の展開を目指すこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は、分担者(下川)の旅費での使用が計画より少なかったためである。ただ、それほど大きな額ではなく、学会などの開催時期などの関係で、当初計画通りに利用することができなかったことが理由で、研究進捗に関係する未使用というわけではない。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度であるので、積極的に成果発表旅費として利用していくことを計画している。
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