研究課題
・二次元XFEM解析コード(NLXT2DV3)および準三次元XFEM解析コード(NLXP3D)の定式化および検証解析結果を学術雑誌に投稿し,掲載された.・NLXP3DをCFRP積層板の損傷進展解析に適用した.提案方法においては,CFRP積層板の層間に通常のFEMで用いられるインターフェース要素を設定して結合力モデル(CZM)を考慮する.また,マトリクス割れが入る可能性がある部位にXFEM機能を用いてCZMを導入する.検証解析として,CFRP積層板のDCB試験片,ENF試験片、TCT試験片におけるはく離進展解析を実施し,開口変位と荷重との関係を参照解と比較し,良い整合を得た.つぎに試験片の寸法、厚さを変更した場合のNHT試験片,OHT試験片の損傷進展解析を実施し,文献に記載された実験結果と比較し,比較的良い相関を得た.・NLXP3DにおいてはCZMとしてCamanhoが提案したバイリニア型のモデルを用いるが,損傷形態が複雑な場合,陰解法では収束解が得られないことがある.そこで陽解法に切り替える一方で,Zig-Zag CZM法を導入することで,陰解法における収束性を大幅に改善することがわかった.・三次元XFEM解析コード(NLXH3D)を開発した.ヘビサイド関数のみを拡充したTIP要素を用いて,き裂前縁形状を有限要素(この場合8節点六面体ソリッド要素)と独立に定義できる.検証解析として,一様引張り荷重を受ける半楕円表面き裂つき平板の弾性,弾塑性解析を実施,参照解や通常のFEM解析結果との比較を実施した.NLXH3Dをき裂進展解析システムに組み込み,自動き裂進展解析が実施可能であることを示した.
2: おおむね順調に進展している
これまでヘビサイド関数のみを拡充したXFEMのプログラム実装として,二次元弾性XFEMコード:NLXT2DV3三次元弾性XFEMコード:NLXP3D三次元弾性・弾塑性XFEMコード:NLXH3D二次元弾性・弾塑性XFEMコード:NLXT2DHの開発、検証が終了した.
幾何学的非線形性を考慮したXFEM解析コードの実装を行い,その妥当性を評価する.現状の開発プログラムの解析結果の可視化処理は,商用プログラム(GLView)を用いている.開発プログラムの実行環境の制約をなくすために,可視化処理をフリーソフト(ParaViewなど)で実行できるように改良する.
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 5件)
Computers and Structures
巻: 174 ページ: 42-53
j.compstruc.2015.10.005