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2015 年度 実施状況報告書

保型形式を用いた対称性の探求

研究課題

研究課題/領域番号 15K04775
研究機関山形大学

研究代表者

三枝崎 剛  山形大学, 教育文化学部, 准教授 (60584068)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード保型形式 / 擬テータ関数 / 符号 / 格子 / 頂点作用素代数
研究実績の概要

格子には「universally concyclic」という性質がある.これはどんな自然数nに対しても,丁度n個の格子点を通る円が存在するというものである.前原濶氏によって導入された.例えば,2次元整数格子はuniversally concyclicである.前原濶氏は,「nが3から10のとき,n個の格子点を通る円の最小半径を決定せよ」という問題を提出した.今年度,それを決定した.更に,9つの整数論的に興味深い格子に対しても,nが3から10のとき,2つの例外を除いて最小半径を決定した.
また,ルート系のn色での塗り分け方の総数に関する公式を得た.これに関係して,対称群の興味深い性質を得たことも重要な成果である.この性質の証明が今後の課題である.
近年,マシュームーンシャイン現象(以後M現象と略す)が発見され,多くの数学者と物理学者の関心を集めている.この現象は,ある物理現象から導き出される保型形式に関係した関数「擬テータ関数」に,一見無関係なマシュー群の持つ量(指標値)が現れる,というミステリアスなものである.先に述べたように,ムーンシャイン現象から頂点作用素代数が生み出されたように,今回見つかったM現象の解明は,予想もしていなかった新たな数学を生み出す可能性のある,非常に重要な問題である.本年度は,M現象に関連するマッカイ-トンプソン級数のフーリエ係数の性質を調べ,マシュー群の共役類との関係を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

符号や格子に関する研究成果で,特筆すべきものが得られなかった.これは,マシュームーンシャイン現象に関する計算に予定していた以上の時間がかかってしまったことが,大きな原因である.

今後の研究の推進方策

符号や格子に関する研究成果を得ることが目標である.現在,大浦学氏(金沢大学)との共同研究で,符号に関する一定の成果を得ている.これを推し進め,格子との関連,不変式・保型形式との関連を探り,当初の目標である,符号・格子・頂点作用素代数の総合的研究を行う.

次年度使用額が生じた理由

マシュームーンシャイン現象に関する研究の計算に時間がかかってしまい,他の符号・格子の研究に取り掛かれなかったことが原因である.

次年度使用額の使用計画

現在すでに,符号・格子の研究に取り組み始めている.その研究に関する研究打合せのための旅費に使用する計画である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] An upper bound of the value of t of the support t-designs of extremal binary doubly even self-dual codes2016

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Miezaki, Hiroyuki Nakasora
    • 雑誌名

      Designs, Codes and Cryptography

      巻: 79 ページ: 37-46

    • DOI

      10.1007/s10623-014-0033-7

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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