研究実績の概要 |
本年度は、不定方程式 (3pm^2-1)^x+(p(p-3)m^2+1)^y=(pm)^zに関する論文がPeriod. Math. Hungar. から出版された。 この論文の主結果は、m, p に関するいくつかの条件の下で、上記方程式がただ一つの正の整数解(x,y,z)=(1,1,2) を持つことを示したことである。その証明は、よく知られた“congruence method”や 二つの対数のlinear formsの評価に関するLaurentの定理とBugeaudの定理による。今後は、さらにもっと一般的な不定方程式 (pm^2+1)^x+(qm^2-1)^y=(rm)^z (ただし p+q=r^2)やm^x + ((r-1)m^2-1)^y = (rm^2-1)^zがそれぞれ自明な解 (x,y,z)=(1,1,2), (2,1,1)だけを持つことを示したい。そのためには、Lucas数列のPrimitive divisor に関するいわゆる“BHVの定理”や一般化されたFermat方程式に関する種々の結果を用いる必要がある。これらの話題については、2017 年8 月に「On the exponential Diophantine equation a^x + b^y = c^z」という題目で第11 回福岡数論研究集会において講演した。
2015年と2016年に引き続き、くまもと県民交流館パレアにおいて2017 年10 月7 日(土) ・10 月8 日(日) に「2017大分熊本整数論研究集会」を代表世話人として主催した。多重ゼーター関数、代数的整数論、数学史に関する素晴らしい講演が行われ、若い大学院生を含めて多くの専門家の参加があった。各講演について活発な質疑応答があり、大いに刺激を受け、整数論の研究者と有意義な意見交換ができ、今後の課題についてもいろいろ議論した。
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