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2018 年度 実施状況報告書

対数アーベル多様体の幾何とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K04811
研究機関横浜国立大学

研究代表者

梶原 健  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (00250663)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード対数構造 / 退化多様体 / アーベル多様体
研究実績の概要

モジュライ空間のコンパクト化において、退化した適切な対象を抽出し研究することが重要である。またこのような対象とともに、コンパクトな多様体に関する不変量等を用いて、モジュライ空間のコンパクト化から、モジュライ空間自身を研究へ向けて、コンパクト化の意義のひとつである。本研究では、アーベル多様体のモジュライ空間において、適切な退化対象を対数幾何学のなかに見い出し、対数アーベル多様体論を構築し、この方面の研究への応用を目指している。対数アーベル多様体に関する本研究は、加藤和也氏(シカゴ大学、米国)、中山能力氏(一橋大学)との共同研究である。
本年度は、対数アーベル多様体のモジュライ空間における局所的な研究、対数アーベル多様体に関する形式幾何と代数幾何の対応、対数アーベル多様体を代数多様体でとらえるモデルに関する研究を進めた。具体的には、対数アーベル多様体のモジュライ空間の局所的性質として、局所モジュライ空間を構成した。これは、アーベル多様体の代数的トーラスによる拡大のなす多様体上、許容対合から定まるトーリック多様体で記述される。また、今後、大域的なモジュライ空間を構成する際に利用する予定である。対数アーベル多様体に関する形式幾何と代数幾何の対応は、従来の代数幾何における射影代数多様体の対応を用いたマンフォードの構成を、対数アーベル多様体へ拡張した成果となっている。対数アーベル多様体は、従来の代数幾何の範疇で考えられる退化アーベル多様体を、対数構造を用いて、対数代数空間という対象へ拡張し、群構造まで扱える良い対象である。そのような対象への拡張は本理論における基礎であり、また、この対応の構成にあたり、対数アーベル多様体のモデルから対数アーベル多様体を再構成する表示等を研究し、成果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は対数アーベル多様体の局所モジュライ空間が構成でき、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

対数アーベル多様体のモジュライ空間の構成にむけ、対数アーベル多様体の大域的解析、局所的解析、変形理論の研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Logarithmic abelian varieties, part V: projective models2018

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Kajiwara, Kazuya Kato, Chikara Nakayama
    • 雑誌名

      Yokohama Mathematical Journal

      巻: 64 ページ: 21-82

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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