研究課題/領域番号 |
15K04822
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大渕 朗 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (10211111)
|
研究分担者 |
米田 二良 神奈川工科大学, 基礎・教養教育センター, 教授 (90162065)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 代数曲線 / ブリル=ネーター理論 / 自己同型群 |
研究実績の概要 |
第13回代数曲線論シンポジウムを2015年12月19日-20日に神奈川工科大学 アクティブ・ラーニング横浜にて開催した。講演者は10人で代数曲線に関する話題、即ちリーマン面としての幾何学的研究、有限体上の理論、位相幾何的な側面から見た変形理論への応用のそれぞれの観点から情報交換などを行った。また春井岳とは非特異平面代数曲線の自己同型群の計算方法を線織面上の非特異代数曲線の自己同型に応用する為の理論の確立を行い、三浦敬と共に平面の特異点を有するかも知れない代数曲線の自己同型とガロア点の関係いついて、平面のクレモナ群に関するDolgachev-Iskovskiの理論を基に幾つかの計算結果を得た。更にまた8月には東京電機大学に於いて招待講演として代数曲線上のワイアシュトラス点についての講演を行った。また米田二良とのワイアシュトラス点に関する共同研究としてTorresの結果の拡張も、ほぼ満足の行く形で完成させることに成功している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①被覆写像のガロア閉胞、②代数曲線の自己同型群:高知工科大学准教授の春井岳の結果を経て、宇部高専の三浦敬と共に①に関しては春井の結果の線織面上の非特異曲線の自己同型の問題に拡張することに一定の成果があった。また②の問題はDolgachev-Iskovskiの平面クレモナ変換群の分類理論を用いて①の結果を併せて特異点を有する平面代数曲線上のガロア点に対応する自己同型の計算方法の確立を目指しており非常に有望である。 ③ワイアシュトラス半群の研究:有理曲面上にある場合で計算不可能な困難な場合を除くとほぼ手法は確立していると言えるので完成期に入ったと言える。この手法の確立によりTorresの定理を拡張することに成功している。今後はこれらの結果をどの様に発展させて行くかが課題である ④被覆面と特殊線形系の理論:春井岳と共に結節点を有する場合の研究は最終的な完成を見ていないが、幾つかの平面曲線上での結果を得ているためおおむね順調に進展していると言える ⑤代数曲線符号・暗号の理論:これに関してはゴレイ符号の研究との関連性を基に位数の大きな自己同形を持つ代数曲線(フルヴィッツ曲線など)の研究が有効であると見なしており、またスタイナー系によるbinary符号を基にした幾つかの符号も構成している。
|
今後の研究の推進方策 |
①被覆写像のガロア閉胞、②代数曲線の自己同型群:Dolgachev-Iskovskiによる理論のアイデアが非常に効果的で、非常に良い進展が期待される ③ワイアシュトラス点から決まる半群の研究:Torresの定理は更にを拡張が可能なことが解り2-超楕円的な場合の半群は非常に良く解ってきたので様々な問題となっている数値的半群が本当にワイアシュトラスかどうかの判定に役立てることを目指す ④被覆面と特殊線形系の理論:最終的な完成を見ていないが、こちらもDolgachev-Iskovskiの理論が有効であると考えられる ⑤代数曲線符号・暗号の理論:binaryフルヴィッツ符号の理論で幾つか進展があり更なる計算結果を整備する必要がある
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に研究集会への出張依頼者が自費で参加したため、旅費に残額が生じた
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度計画の研究集会に旅費として使用する予定である
|