研究課題/領域番号 |
15K04822
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大渕 朗 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (10211111)
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研究分担者 |
米田 二良 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90162065)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 代数曲線 / 位相幾何 / 自己同型群 / ガロア群 |
研究実績の概要 |
第15回代数曲線論シンポジウムを2017年12月16日-17日に日本大学駿河台校舎にて開催した。講演者は12人で代数曲線に関する幾何学的研究、有限体上での研究、位相幾何的な側面から見た変形理論への応用の研究など、それぞれの観点から情報交換などを行った。特に位相幾何的な手法はフェルマー曲線の族が、モジュライの中でどの様に変形していくか、それに従って、その特殊な場合にクライン曲線が現れる様子やPSL(2,7)のconjygateでない三次対称群の動きなどが記述され、今後の研究に非常に有効ではないかと考えられる。またガロア群の計算に関して、ガロア自身によるオリジナルのアイデアは計算が非常に困難であるため、埋もれていた計算方法であるが、最近は機械を用いる計算技術が発達しており、その技術を考慮に入れる可能性などの議論も行った。 また非特異平面代数曲線の自己同型群の計算方法を線織面上の非特異代数曲線の自己同型に応用する為の理論の確立を行い、射影平面の自己同型群の有限部分群でintransitiveな場合(最も著しい場合はガロア点を有する場合になる)平面代数曲線の自己同型群の完全な決定を目指しており、射影直線上の自己同型群の部分群へ平面代数曲線の自己同型群を帰着した場合に五次交代群、四次対称群。四次交代群の場合は既に完全に解決していたのに加えて、二面体群と巡回群の場合も完全な自己同型群とその場合の平面代数曲線の方程式の決定方法(巡回群は群の構造のみ)が完成した。またガロア被覆に関しては、ガロアのオリジナルのアイデアに基づいた計算方法で、体論的な考察も始めている。更にワイアシュトラス点に関する共同研究としてTorresの結果を今度は三次被覆の場合への拡張を完成させている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①被覆写像のガロア閉胞、②代数曲線の自己同型群:高知工科大学准教授の春井岳の結果を経て、宇部高専の三浦敬と共に①に関しては春井の結果の線織面上の非特異曲線の自己同型の問題に拡張することに一定の成果があり、更に平面代数曲線の自己同型群が射影平面の有限部分群としてintransitiveな場合は決定がほぼ不可能な巡回群の場合をのぞいてほぼ完成している。また②の問題はDolgachev-Iskovskiの平面クレモナ変換群の分類理論を用いて①の結果を併せて特異点を有する平面代数曲線上のガロア点に対応する自己同型の計算方法の確立を目指しており平面曲線のintransitiveな自己同型の書き上げに成功している。 ③ワイアシュトラス半群の研究:有理曲面上にある場合で計算不可能な困難な場合を除くとほぼ手法は確立していると言えるので完成期に入ったと言える。この手法の確立によりTorresの定理を拡張することに成功している。現在これらの結果を三次被覆へ拡張させている。 ④被覆面と特殊線形系の理論:春井岳と共に結節点を有する場合の研究は最終的な完成を見ていないが、幾つかの平面曲線上での結果を得ているためおおむね順調に進展していると言える。 ⑤代数曲線符号・暗号の理論:これに関してはゴレイ符号の研究との関連性を基に位数の大きな自己同形を持つ代数曲線(フルヴィッツ曲線など)の研究が有効であると見なしており、またスタイナー系によるbinary符号を基にした幾つかの符号も構成している。
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今後の研究の推進方策 |
①被覆写像のガロア閉胞、②代数曲線の自己同型群:Dolgachev-Iskovskiによる理論のアイデアが非常に効果的で、線織面上の代数曲線の議論の最終的な完成を目指す ③ワイアシュトラス点から決まる半群の研究:Torresの定理は更にを拡張が可能なことが解り2-超楕円的な場合の半群は非常に良く解ってきたので3-超楕円な場合への拡張がほぼ完成したので最終的な感性を目指す。 ④被覆面と特殊線形系の理論:最終的な完成を見ていないが、こちらもDolgachev-Iskovskiの理論が有効であると考えられる。 ⑤代数曲線符号・暗号の理論:binaryフルヴィッツ符号の理論で幾つか進展があり更なる計算結果を整備する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成29年度に研究集会への出張依頼者が自費で参加したことと、Proceedingsの出版費用が別会計から支払われたことにより残額が生じた (使用計画) 次年度計画の研究集会費として使用する予定である
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