研究課題/領域番号 |
15K04828
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
蔵野 和彦 明治大学, 理工学部, 教授 (90205188)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | グロタンディェク群 / MCM / コーエン・マコーレー錐 |
研究実績の概要 |
完備局所環の構造定理は、可換環論の中でも最も重要な定理の一つである。その系として、等標数の完備局所整域は、係数体上の形式的冪級数環上の有限加群になることが証明できる。 Gabber は、正標数の場合であっても、係数体をうまくとることによって、商体の拡大が分離代数的に取れることを証明した。そのことは、様々な代数の分野で広く応用がある。極大コーエン・マコーレー加群論においても、有効に使われている。 ここでは、その結果に対して非常にエレメンタリーな証明を与えることに成功した。 証明のキーは、ワイエルシュトラスの準備定理である。これを用いて、埋入余次元に関する帰納法によって、証明が完了する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定をしていた研究とはちょっと違った、新しい見地を根拠にした論文ができた。ただ、研究の方向性自身には変更はない。 今年度は、当初の計画に従って、研究を遂行してゆく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は予定していた海外出張を、様々な事情で行くことができず、そのために約 27 万円を繰り越すこととなった。今年度は、一回海外出張に行くことは決まっているが、可能であればもう一回行って研究発表を行いたい。研究発表によって、現在までに得られた研究結果に関してレビューを受け、さらに様々な情報を収集する。 コーエン・マコーレー表現論の国内外の研究者と密接に連絡を取り合うことが必要である。そのための国内出張や招聘を頻繁に行いたい。 今年度も、コンピューターなどの機器類を購入する予定はない。 論文を完成させるために、適当な人が見つかれば、TeX 入力や研究資料整理をお願いして謝金を支払いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が当初のものから変更があり、予定していた出張に行けなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は海外出張を予定しており、それに使う。
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