研究実績の概要 |
Sziklai 予想に一応満足のいく解決を与えてから6年が経過した.それはq元体上定義されたq-直線を成分に持たない次数dの平面代数曲線のq-有理点の個数はq=d=4の場合にただ一つ起こる例外を除けば,(d-1)q+1 が上限であることを主張し,さらに,d > q-2 の場合には.q, d を固定して,q-直線を成分に持たないのq上の曲線全体の中でのでq-有理点の個数の最大値 M(d,1) を算出した.具体的には q-2 <d<q+3 のときは, M(d,1)=(d-1)q+1, d>q+1 のときは M(d,1)は射影平面自身のq-有理点の個数に一致する.(d=q+2 のときは(d-1)q+1は丁度,射影平面自身のq-有理点の個数である.) M(d,1)が算出できたdについては,当然,2番目に大きな値M(d,2)はどんな値であろうかという自然な問いが浮上する. 本年度の主要な成果は,この問いに部分的な解答を与えたことである.当初は,概ね M(d,2) = M(d,1)-1 であろうと予想していたが,必ずしもそうならなかったことはやや意外であった.その値をここに詳述することはしないが,その議論にはかつて「平面のq-有理点を埋めつくすような曲線の最低次数とそれらの分類」を行ったときに用いた多項式環のイデアルについての議論を精緻にすることによった.この議論は高次元の超平面の場合も有効であり,これは代数幾何符号への応用を見込めるかもしれない.
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