研究実績の概要 |
A,B,C型のベクトル積の退化跡のK理論的類に対して,行列式あるいはパッフィアンを用いて表示した(with Hudson, Matsumura, Naruse).コホモロジー環においては,退化跡の行列式・パッフィアン公式は19世紀から数多く知られ,様々な応用がなされてきた.このように,長い歴史のある問題であるが,K 理論においてははじめて行列式・パッフィアン公式を導くことに成功した.極大直交グラスマン多様体に対して,そのK理論的シューベルト類は GP 関数(代表者と分担者が 2013 年に導入)により代数的に実現される.集合値 decomposition tableaux という新しい組合せ的対象を導入した(with Cho, Nakasuji).これと関連して,予想1「集合値 decomposition tableaux の母関数はGP関数と一致する」,予想2「GP 関数の積構造定数は集合値 decomposition tableaux の数え上げにより(具体的に)記述される」を提出した.予想2の部分的解決として GP 関数のピエリ規則を証明することができた(with Cho, Nakasuji).K理論的ピーターソン同型を定式化し,それを証明することができた(with Iwao, Maeno).これはアフィングラスマン多様体のKホモロジー環と旗多様体の量子K理論を関連付けるものである.(コ)ホモロジーの場合の結果は Peterson, Lam--Shimozono により与えられていたが,K 理論への拡張はこれがはじめての成功例である.最終年度は,シンプレクティック型のアフィン・グラスマンのhomology の研究を推し進めた.その結果,ピエリ規則と,P ハットと呼ばれる対称関数との関連,戸田格子との関連が具体的なレベルで明らかになった(with Shimozono).
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