研究課題/領域番号 |
15K04843
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
望月 拓郎 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10315971)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ホロノミックD加群 / リーマン・ヒルベルト対応 / enhanced ind-sheaf / モノポール / ディラク型特異点 / 調和バンドル |
研究実績の概要 |
ホロノミックD加群のリーマン・ヒルベルト対応に関して、複素多様体上のenhanced ind-sheafの複体がホロノミックD加群のenhanced de Rham複体になっているのはいつか?という問題について研究し、複素曲線への引き戻しに関する条件で特徴づけました。この研究結果をプレプリント``Curve test for enhanced ind-sheaves and holonomic D-modules''にまとめ、arXivで発表しました。 1次元射影空間上の調和バンドルのナーム変換に関して、Szilard Szabo氏による従来の研究で課されていた仮定を緩めて、より自然な条件下で議論できることを示しました。これに関しては、さらに発展させた上で、Szabo氏との共同研究として発表する予定です。 以前に行なった研究で、モノポールのディラク型特異性が正則な切断のノルムの増大度による条件で特徴付けられることを見出していましたが(未発表)、大学院生の吉野将旭氏との議論を通じて、モノポールのヒッグス場のノルムの増大度による条件でも特徴づけられることを見出しました。以前の結果とあわせて、吉野氏との共著のプレプリント``Some characterizations of Dirac type singularity of monopoles''としてまとめ、arXivで発表しました。 コンパクトリーマン面上に与えられた調和バンドルの自然な変形族の漸近挙動に関する論文の最終版を書き、Journal of Topologyから出版しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ホロノミックD加群とenhanced ind-sheafの関係や, モノポールのディラク型特異点についての新たな特徴づけなど, 当初予定していなかった方向への発展も得られているから.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き, 調和バンドルやツイスターD加群に関連する題材について研究していきます. また, プレプリントにとどまっている論文を改訂していきます.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に東京出張およびインド出張を続けて行なったのですが、インドからの帰国日が4月1日になったために、約19万円が繰越支出となりました。また、2018年度は想定よりも多く出張の予定がはいってきたので、少し繰り越すようにしました。
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次年度使用額の使用計画 |
上述のように、既に約19万円は28年度末に行なった出張で使っています。残りは、29年度分として予定されていた助成金とあわせて、出張旅費等に使う予定です。
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