研究課題
最終年度である今年度は,本研究課題で得られている一連の研究成果や今後の研究の展望等について積極的に研究発表・サーベイ講演を行った。標準球面内の等径超曲面のガウス像として得られる複素2次超曲面に埋め込まれたコンパクト極小ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーおよび一連の研究の報告のために,早稲田大学での国際研究集会(2017年12月)でサーベイ講演(東北大学・宮岡礼子と共同)を行った。また,コンパクト対称空間上のHermann作用のもとで小池直之(東京理科大学)の条件を満たす極小軌道の分類問題に対して大仁田は前年度吉田稔との共同研究で得られた結果を深めるべく,連携研究者・酒井高司(首都大学東京)と研究協力者・小池直之と議論や情報交換を積極的に行った。とくに,Hermann作用のもつ変分完備性や超極性,有限次元及び無限次元超極的作用,有限次元および無限次元等径部分多様体の理論等について基本的な理論から検討した。吉田との共同研究成果は,国内外の研究集会で研究発表を行い,関連研究者らとの情報交換,とくに井川治(京都繊維工業大学)からHermann作用の代数的分類に関して有益な専門的知識を得た。大仁田の2009年の論文に基づいた閉等質極小ルジャンドレ部分多様体の構成・変形に関するJong Taek Cho(韓国・全南大学),橋本要(大阪市立大学数学研究所)との共同研究が新たに始まった。研究分担者・加藤信と橋本による特異点をもつ曲面の研究が進展している。大仁田は,Martin Guest(早稲田大学)とループ群・無限次元グラスマン模型の枠組みを活用したユニタリ群へのSU(2)同変な調和写像の分類問題の共同研究を進め,2018年3月の大阪市立大学での国際研究集会で,リーマン面から対称空間への調和写像の対称性とモジュライ空間の研究に関するサーベイ講演を行い,その結果も中間報告している。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 図書 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
“Hermitian-Grassmannian Submanifolds”, Springer Proceedings in Mathematics & Statistics
巻: 203 ページ: 235-247
10.1007/978-981-10-5556-0_20
Proceedings of The 21st International Workshop on Hermitian Symmetric Spaces and Submanifolds
巻: 21 ページ: 1-15
www.sci.osaka-cu.ac.jp/~ohnita/