研究課題/領域番号 |
15K04859
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
江尻 典雄 名城大学, 理工学部, 教授 (80145656)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | minimal surface / CMC安定 / H amily / tP,tD family / rPD family / triply periodic surface / 相転移 |
研究実績の概要 |
3-dimensional flat torus内のindex=1のminimal surfaceは、次の二つの場合が考えられる。平均曲率一定曲面として、CMC安定かCMC不安定である。1992年Rossは、古典的に知られた種数3のembedded minimal surfaceであるSchwarz' P-surface, Schwarz' D-surface および Schoen's Gyroid はCMC安定となることを示した。その後28年にわたりRossの結果以外の成果は得られていない。近年江尻によってflat torus内のminimal surfaceのindexを計算する方法が開発され、2018年江尻と庄田によって3-dimensional flat tori内のembedded minimal surfaceのone parameter familyであるH family, tP family, tD family, rPD familyの一部がindex=1であることを示された。当該年度において江尻と庄田により、それらは全てCMC安定であることが示された。これは3-dimensional flat torusのシャボン玉の分類に関する第一歩と考えられる。 ソフトマターの研究においても3-dimensional Euclid space内のtriply periodic minimal surfaceのは調べられており、特に相転移の研究は課題の一つである。triply periodic minimal surfaceのfamilyについてのCMC安定の研究は、ソフトマターにおける相転移の研究と関わるので重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3-dimensional flat torusのCMC安定minimal surfaceの研究は本研究課題の重要なテーマの一つであり、一定の成果をあげたと考える。他の3-dimensional flat torus内のminimal surfaceのfamilyについてそのindexの計算とCMC安定に関わる研究は、現在進行中であり、進展しつつある。 n-dimensional flat torus内のminimal surfaceの変形空間のspecial pseudo Kaehler structureの研究は、本研究課題の重要な一つのテーマである。その意義について新しい観点からの研究を実行中である。
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今後の研究の推進方策 |
n-dimensional flat torus内のminimal surfaceの変形空間のspecial pseudo Kaehler structureの新しい視点からの研究を、引き続き進めて行きたい。 また、3-dimensional flat tori内のminimal surface familyについてのindexの計算とCMC安定に関わる研究を、引き続き進めて行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスにより、3月の名城大学での研究集会が中止となり、講演予定者への科研費支払いができなかった、更に3月の日本数学会幾何学分科会が中止となり参加できなかったため。使用計画は、来年3月の学会、延期された研究会への参加費です。
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