研究課題/領域番号 |
15K04860
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ケーリー代数 / 例外型単純Lie群 / 四元数ケーラー構造 / Twistor space / 複素接触構造 / 佐々木構造 / 3-佐々木構造 / Fano 多様体 |
研究実績の概要 |
現在まで主として等質空間 G2/SO(4) 上の fibre bundle の幾何構造の具体化について研究を行っている。例外型単純Lie群G2はケーリー代数の自己同型群として定まるが、ケーリー代数のもつ特殊な 代数構造に注目する。特にケーリー代数の積は結合法則を満たさない。この代数構造の特殊性からグラスマン多様体の部分多様体としてケーリー代数内の結合的3次元部分空間全体の為すグラスマン多様体 G2/SO(4) を構成することができる。さらに、双対性を用いてG2/SO(4) はケーリー代数内の捕結合的4次元部分空間 全体の為すグラスマン多様体ともみなせる。この双対性から G2/SO(4) 上の 二つの複素多様体の構造となる等質空間 G2/U(2)± を得ることができる。この複素多様体は共に Einstein Kahler 多様体の構造を持つ。G2/U(2)+ は、さらに complex contact structure を許容することが Twistor 空間の一般論か ら理解できるが、その具体的な表現には統一性が欠けていた。我々の今回の 共同研究によって Calabi-Bryant による G2-構造方程式を用いることにより 統一的にすべての等質空間の幾何構造を記述することができる段階まで研究 が進展している状態である。さらに、G2/U(2)+ 上のS1-bundle として G2/SU(2)+ が存在する。G2/SU(2)+は G2/SO(4) 上の SO(3) fibre bundle であり、さらに3-佐々木構造を持つ。この構造の具体的表示を用いてG2/SO(4) 上の四元数構造の記述が可能となる。この幾何構造の具体化を現在推進している段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究によって Calabi-Bryant による G2-構造方程式を用いることにより 統一的にすべての等質空間の幾何構造を記述することができる段階まで研究 が進展している状態であり、論文としてまとめる前段階にある。
|
今後の研究の推進方策 |
共同研究によって Calabi-Bryant による G2-構造方程式を用いることにより 統一的にすべての等質空間の幾何構造を記述することができる段階まで研究 が進展している状態であるが、細部の証明、さらに次の種々の課題が見出されている。特に、3-佐々木構造の存在についての問題がある。
|