研究実績の概要 |
接触構造の入った3次元多様体内のルジャンドリアン結び目, 横断的結び目は それ自身 興味深い研究対象である上に 接触構造の幾何的な性質と密接に結びついているため 注目を集める研究対象となっている。同じ位相的結び目型を持つが ルジャンドリアン結び目, 横断的結び目として異なるものが存在することが知られ, これらを区別する研究が進展していた。古典的不変量(回転数とサーストン・ベネカン数)では区別できないが 異なるルジャンドリアン結び目対の具体例が発見されて以来, このようなルジャンドリアン結び目対を区別する新しい不変量についての研究が シンプレクティック場の理論などを基に進展している。また 古典的不変量(自己絡み数)では区別できないが 異なる横断的結び目対を区別する新しい不変量についての研究が 結び目フレアーホモロジー理論、結び目接触ホモロジー理論などを使って進展している。 古典的不変量では区別できない異なる横断的結び目対の組み紐表示を与える1つの操作としてホップ・フライプを導入していた。負符号ホップ・フライプで移り合う閉4組み紐対のうち 8つのパラメータを持ち、横断的結び目として異なる新しい例の族を構成した。構成した閉4組み紐の対が横断的結び目として異なることを示すために、横断的結び目に対して定義される結び目接触ホモロジー群を具体的に計算する手法を開発した。そして不変量が異なることを示すためにホモロジー群から3次巡回群への写像の個数を計算した。
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