研究実績の概要 |
最終年度はねじれアレキサンダー多項式とゼータ関数の関係解明を中心に研究を進めた.その結果,ねじれアレキサンダー多項式は行列重み付きゼータ関数で表現できるのではないかという知見を得,平成31年2月4日に大阪電気通信大学で開催された研究会「低次元多様体の幾何的性質と不変量の研究」および3月9日に日本大学文理学部で行われた研究会「Seminar on Geometric Topology of dimension 3」にて「ねじれアレキサンダー多項式と伊原ゼータ関数」というタイトルで講演しレヴューを受けた.現在証明の詳細を精査しているところである. 双曲結び目群GはSL(2,C)へのホロノミー表現をもつ.本研究ではこの表現をn次元既約表現に拡張した表現G→SL(n,C)に注目しこの表現に付随したねじれアレキサンダー多項式を研究してきた.初年度にはこのねじれアレキサンダー多項式の具体的な計算を行った.そこで得た知見を元に前年度までの研究でこのねじれアレキサンダー多項式を用いた双曲結び目補空間の体積表示を得ている.本年度の研究によりこの行列重み付きゼータ関数を使って双曲結び目補空間の体積表示や行列のトレースを用いた表示ができるのではないかと考えている. その他,平成30年10月21日早稲田大学で行われた「ハンドル体結び目とその周辺11」にて「セルバーグ跡公式から結び目体積公式へ」というタイトルで、 平成30年12月9日に奈良女子大学で行われたトポロジーセミナーで「双曲結び目体積と多項式不変量」というタイトルでサーベイレクチャーを行った.
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