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2017 年度 実施状況報告書

曲面に付随する無限複体を用いた3次元多様体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04869
研究機関上越教育大学

研究代表者

斎藤 敏夫  上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90397670)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード3次元多様体 / 無限複体 / 結び目 / Heegaard分解 / デーン手術
研究実績の概要

1.小林毅氏(奈良女子大学)とQiu氏(華東師範大学)との共著論文(Math. Ann. 341, 707-715)における議論を精査することにより,次が成立することを証明した:分離的圧縮不可能曲面Fを許容する3次元閉多様体Mに対して,MのHeegaard曲面SがHempel距離4以上であれば,SとFの共通部分に沿ってSを切り開くことにより得られる曲面は(MをFによって切り開いた連結成分において)圧縮不可能である。このことは,「十分に複雑なHeegaard曲面が圧縮不可能曲面のように振る舞う」という認識をより高めた結果ともいえる。

2.正多面体空間の基本領域である正多面体と最小種数のHeegaard曲面との位置関係について考察を行った。当該年度においては,正多面体Pに対してある意味で自然に得られるHeegaard曲面Sにおいて,(可能であれば)Sに非安定化操作を行うことにより得られるHeegaard曲面S'と正多面体Pとの位置関係の一般的性質を追究するため,いくつか具体例を用いて考察した。

3.矯飾的手術予想の総合的な解決へ向けて,市原一裕氏(日本大学)および伊藤哲也氏(大阪大学)と共同研究を行った。当該年度では,Casson不変量およびSL(2,C) Casson不変量を用いることにより,主に次の結果を得た:正二橋結び目KのAlexander多項式が1の冪根を解として持たないならば,Kは対掌矯飾的手術を持たない。また,種数1の二橋結び目における対掌矯飾的手術を決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で挙げたもののうち,1.については研究論文を執筆中である。また,3.については,論文の執筆を完了し,学術雑誌へ投稿済みであることから,本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断する。

今後の研究の推進方策

基本的には研究計画に沿って当該研究を推進する。特に,3次元多様体の分岐曲面に対する理解をさらに深めるため,前年度に引き続き,セミナーや勉強会の開催,当該分野の研究者への訪問を行う。また,国際研究会「Topology in Dimensions 3, 3.5 and 4」における研究情報収集,および,大阪市立大学に滞在中のLee氏(全北大学校)との研究交流も積極的に行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

購入を予定していた物品の入手を急ぐ必要がなくなったため。次年度において同等の物品を購入予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cosmetic surgery and the SL(2,C) Casson invariant for two-bridge knots2018

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Ichihara and Toshio Saito
    • 雑誌名

      Hiroshima Math. J.

      巻: 48 ページ: 21-37

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] An approach to defining Hempel distance of generalized Heegaard splittings2017

    • 著者名/発表者名
      斎藤 敏夫
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会

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公開日: 2018-12-17  

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