研究実績の概要 |
当該年度において次の論文を完成させることができた。 1.Khovanov, Lauda, Rouquierによる量子群の圏化は、2圏として実現されているが、この2圏において、1射の2回双対が元の射と同一になる(つまり、2圏がcyclicまたはpivotalとなる)ように、2圏の定義を変形することができるという結果を A. Beliakova氏, A.D. Lauda氏, B. Webster氏と共同の論文「Cyclicity for categorified quantum groups」において得た。この結果により、量子群の圏化におけるダイアグラムを使った計算が、より容易になることが期待される。
他に、以下の研究において進展があった(論文は未完成)。 2.前年度のA. Beliakova, A. Lauda, M. Zivkovicらとの共同研究において、量子群sl(2)の圏化のトレース(0次Hochschild-Mitchellホモロジー)を計算したが、これを高次のHochschild-Mitchellホモロジー及び巡回ホモロジーに対して拡張する研究を行っている。まだ完成はしていないが、予想される結果が分かる程度には計算が進んだ。 3.上記2に関連して、圏化された量子群に限らず、より一般の線形圏に対して、Hochschild-Mitchellホモロジーと巡回ホモロジーの計算を行っている。そのような計算ができるための良い線形圏の定義を見つけることができた。この結果の様々な応用および一般化について検討を行っている。
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