Alexander numbering とは結び目ダイアグラムのarcにあるルールで割り当てられた整数である。結び目ダイアグラムは常にAlexander numberingを持つ。 Alexander numbering を持つ仮想結び目ダイアグラムをalmost classicalと言う。almost classical仮想結び目ダイアグラムを持つ仮想結び目をalmost classicalと言う。また自然数mに対してmの剰余類でAlexander numberingを持つ仮想結び目ダイアグラムをmod m almost classicalと言う。mod m almost classical仮想結び目ダイアグラムを持つ仮想結び目をmod m almost classicalと言う。mod 2 almost classical仮想結び目は正規仮想結び目である。 本年度は昨年度に導入した仮想結び目の正規化写像を応用、拡張して、仮想結び目ダイアグラムから任意の自然数mに対してmod m almost classical仮想結び目ダイアグラムへの写像を構築した。この写像は仮想結び目から任意の自然数mに対してmod m almost classical仮想結び目への写像を誘導することを示した。さらにこのmod m almost classical化写像の仮想結び目の分類への応用を紹介した。 mod m almost classical化写像を定義する際にはoriented cut point 付きの仮想結び目ダイアグラムを考える。このoriented cut pointを利用してKauffman、Dye、Miyazawaが導入した多変数多項式不変量の別定義を与えた。それによってmod m almost classical仮想結び目の多変数多項式不変量の値の性質を発見した。
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